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りらっくママの日々

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2009年08月23日
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今日の日記(「オルトロスの犬」感想と秋葉原でエコカー作り♪)



「ある女の話:アヤカ4」


いつもならスタジオの帰りはエリといっしょだけど、
その日はエリが風邪で来れなかったから、
私一人で帰るつもりだった。

エリがいないので、私がヴォーカルの代理をしたけど、
エリの高音がないと何となく物足りなかった。
しかも女は私一人だったし…。
何となくツカちゃんの話を聞いてたこともあって、
緊張してしまった。

みんなこのバンドは気楽でいいや~とかって言ってて、
変な音出してゲラゲラ笑ってた。
気を遣ってくれてるのかもしれないし、
ホントにそう思ってるのかもしれない。

でも、私もみんながそんな感じなので、
ユルユルな感じが、ありがたかった。

みんなでラーメンを食べて駅に向かう。
いつもなら、マノくんが降りた後、
ツカちゃんが私よりも手前の駅で降りるのに、
今日は降りようとしなかった。

「どしたの?」

「ん、送っていくよ。良かったら家まで。」

「え?そんなの悪いからいいよ。」

「嫌?」

「嫌じゃないけど…。」

ツカちゃんは無口だから、何話していいかわかんないや。
私はしゃべる方だけど、
聞き役の方が多い。
何か聞かれて返すってことなら沢山話せるんだけどな。

ツカちゃんは私の駅に着くと、いっしょに降りた。
でも、何もやっぱり話そうとしなかった。

私もこの前の話を聞いてるから、
何となく話にくくて困る。

そのことばっかり頭にあったのかもしれない。
口走ったのは、ストレートなことだった。

「何かね、エリが変なこと言ってたから、
ちょっと緊張しちゃうよ。」

「何?変なことって?」

「え?あ、
いや、やっぱり何でもないや。」

バカか私は。
こんなこと言ってどうすんだよ?

「ああ…
アレか…。」

ツカちゃんは少し顔を赤くした気がした。

「そういうこと言われると俺も緊張しちゃうんだけど。
けど、多分、ホントのことなんだけど。」

「え?何が?」

って、何私は先をうながしてるんだろう?
ここで止めないといけないんじゃ?

「あ、ううん、いいよツカちゃん、
何でもないから。
何も聞いてないし。」

ツカちゃんはちょっと力を落としたようなため息をついた。
でも、やっぱり決心したって感じで言った。

「俺、アヤちゃんのこと好きっていうか…
気になる。」

ツカちゃんが下を見て言う。
私はツカちゃんのそんな様子を見ていたら、
何だか胸がキュンとしてしまった。

「よく知らないから、変だと思うかもしれないけど。」

「うん…。」

「良かったら、電話とか、していい?」

「え…。」

「好きな人とかいるの?」

「ううん。いないけど。」

でもツカちゃんのことをそういう目で見たこと無いんだよなぁ…。
ベース弾いてる姿とか、カッコいいとは思うけど、
遊ばれるのは嫌だ。

「ツカちゃんモテそうだから。」

ツカちゃんはそこで、あははって笑った。

「そんなことないよ~。だからダメなの?」

「だってどんな人か知らないもん。」

「じゃあ…
じゃあさ、付き合ってちょっとずつ知っていくのは?
俺もアヤちゃんのことよく知らないし。」

「よく知らないのに、好きでも無いのに付き合うの?
おかしくない?」

「それってちょっと傷つくんだけど…。」

「だって、よく知らないんでしょ?」

「でも気になるんだけど。」

ツカちゃんは私の顔をジッと見ていた。
私は照れてしまって、
目を逸らした。

コレがツカちゃんの手かもしれないし…。

私は最近疑心暗鬼になってるのかもしれない。
失恋したばっかだし、
それでときめいちゃう自分も変だし、
そんな自分が信用できない。

だからなのか、
男の子の言うことがイマイチ信用できなくなっていた。

それにまだ、前に好きだと思った人ほど、
ツカちゃんのこと好きって、いきなり思えない。

ずっと黙っていたら、ツカちゃんから口を開いてくれた。

「いいか…。
まあ、いいや。
今はバンドのメンバーとして接しててくれればいいから。
俺焦り過ぎた。
ごめんな。」

「うん…。」

気まずいだろうと思うのに、
ツカちゃんは私の家の前まで来てくれた。

「家ココなんだ?」

「うん。」

じゃあ。
去って行く後ろ姿が、何となく潔くて、
私は何となく言ってしまった。

「ねー…」

ツカちゃんが振り返った。
何?って感じでこっちを見てる。

「電話していいよ!」

一瞬すっごい驚いた顔をしたかと思ったら、
ニコッと笑って、ブンブン手を振った。

そんなツカちゃんを見ていたら、
私も何だか嬉しくなって、
角を曲がるまで、その姿を見送っていた。

人を好きになるのって、
一瞬なのかな?
って、その時思った。






続きはまた明日

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最終更新日  2009年08月23日 16時52分26秒
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