もしも福島原発で大事故が起こったら
福島第一原発及び同第二原発の今回の事故は、原発の設計条件においては考えられていない想定外の過酷事故であり、極めて深刻な事態が続いています。この影響を避けるためには、原発から距離を置くのが最も有効な手段です。可能であれば、福島原発から、できるだけ遠くへ離れることがベストです。移動できない方は、建物の中に入って、外気に極力触れないでください。雨には絶対に当たらないように気をつけてください。「何キロまで離れれば安全か」について判断することは容易ではありません。この判断のためには、放射能レベルと気象条件についての正確な情報が必要であり、さらに、今後何が起こりうるかについての的確な予測が必要だからです。これまでの政府・東京電力の情報提供は極めて不十分であり、この判断のために必要な情報を、正確かつ迅速に提供するべきです。◆ 放射線被ばくを考える被ばく線量の推定には、本来ならどのような放射能がどれだけ放出されたのかという基礎的なデータが必要だが、これが公開されていない。そこで、今の段階では、かなり粗いものであっても、各個人が自分の被ばくを推測して、判断する目安を得ることは有益だろう。【1】単純に被ばくを計算する例えば、住んでいる地域で20マイクロシーベルト/時の線量が測定されたと仮定しよう。この線量の状態が続くと仮定して、時間を掛けると、とりあえず被ばく線量が出てくる。24時間では480マイクロシーベルトとなる(20×24=480)【2】内部被ばくを計算しよう人間は呼吸をしているのだから放射能を体内に取り込む。この線量を計算することは難しいが無視することはできない。どの放射能がどれくらい出ているか分からないからだ。ここでは大まかに2倍とする。そうすると、24時間で960マイクロシーベルトとなる(480×2=960)【3】乳幼児や子供は放射線への感受性が高い乳幼児や子供、成長期の若者は放射線への感受性が高いと考えられている。ここでは2倍とする(ヨウ素131では10倍になるとの評価もある)。乳幼児や子供は、24時間で1,920マイクロシーベルトとなる(960×2=1920)。【4】被ばくの影響を考えよう専門家がいう「直ちに人体に影響を与える量」とは急性障害を与える量250ミリシーベルト(250,000マイクロシーベルト)のことを意味しているようだ。あるいは、人によっては100ミリシーベル トの被ばくのことを意味しているように思われる。これを基準に考えることは高い被ばくを容認することになる。微量な被ばくでも発がんのリスクを高める。発がんのリスクは被ばくの量に応じて高くなる。例えば、国際放射線防護委員会は1ミリシーベル トの被ばくで、将来10,000人に1人のガン発生が考えられるとしている。この評価には、倍くらい厳しく見るべ きとの意見もあり、その場合5,000人に1人となる。【5】被ばくは極力避ける方が望ましい。が、少しの被ばくで大慌てする必要もない。被ばくを低く抑えるには、『1』離れる、『2』時間を短くする、『3』身に付かない(吸入しない)ようにすることが原則。モニターの値が高い時にはできるだけ外出を控える、外出は短くする、マスクなどで防護する、などの対策 が考えられる。屋内は屋外に比べて、被ばくは2~3倍くらい少なくなる。モニターの数値は首相官邸「平成23年東北地方太平洋沖地震への対応」で得ることができる。http://www.kantei.go.jp/jp/kikikanri/jisin/2011031..●ドイツ気象庁 http://www.dwd.de/福島第一原発からの放射能放出の予測http://www.dwd.de/bvbw/generator/DWDWWW/Content/Oe..原子力資料情報室http://www.cnic.jp/modules/news/