言語
シンガポールに着いた日、ホテルに着いたのは朝9時ちょっと過ぎ。チェックインにはだいぶ早い。荷物を預けて観光するつもりでいたら、直ぐに部屋に案内してくれた。
その理由がだんだん滞在中に分かって来た。私たちのフロアーには清掃係のMs Li Yan Joaoが朝出勤して来て私たちの部屋に近い彼女の部屋に入る。そして一日中そのフロアーにいて、ゲストの部屋の掃除や世話を焼くのだ。だから、早朝出発した人の部屋は直ぐに使用できる状態になる。
部屋はガンガン冷房でも外は暑いから外出のたびシャワーするとコンコンとノックしてタオル濡れていたら変えるよと、Joaoさん。彼女実は中国語で話し、英語が通じない。コミニュケーションは身振り手振り。これがなあんとも楽しい。
「クリーニング出してくれる?」「ごめんなさい今日だけはお正月で休みなの明日でいい?」「夜冷房寒いから毛布もう一枚くれる」「昨夜スペアー毛布出してたようだから、今日はカバーをかけて敷いて置いたよ」とベットに行って毛布を少し剥がして見せる。チップを受け取る時の「サンキュー」だけ英語が可愛い。
シンガポールにはマレーシアから働きに来ている人も多い。チリクラブを食べた「パームビーチ」のウエイトレスさんも、ハイティをした「シャングリラのローズテラス」のウェイトレスさん達もそうだ。なぜわかるかと言うとご隠居が必ず彼女達とお喋りするからだ。
ホテルのタクシー溜まりの人達もきっとそう。マレー語はインドネシア語にとても似ている。私は少しだけだけどインドネシア語が出来るから。ところどころわかるのだ。
いつも旅の楽しみの1つは現地と人との触れ合い。
帰国した日。
羽田から家に着くか着かないかぐらいに、ホテルのゼネラルマネジャーからメールが来ていた。
実はホテルを去る時アンケート用紙に答えて来たのだ。いつものように。
「このホテルで特に印象に残ったスタッフがいたら書いてください」と言う項目に、コンセルジュ部門のIdelさんと清掃のJoaoさんの名前を書いた。
メールには宿泊のお礼とその2人に私のお礼を必ず伝える由が書かれていた。
空にそびえる近代的なマンモスホテルがいっぱいあるシンガポールだけれど、客室数の少ない歴史的ホテルを選んだ今回の選択も当たりだったと思った。