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「雨天中止が増えるといいな。密かに願っているんだ」。2軍のデンコードースタジアムで、山村はつぶやいた。「1軍の日程表、見せて」と言われ、渡した日程を見て「まだ50試合ある…」と言った。
「できれば、この辺で…なあ」と、8月中旬を指さす。右肩痛から復帰を目指し、2軍で調整中だ。一時はシーズン中の手術も視野に入れていたが、メスは入れずにリハビリする道を選んだ。曇りの続く26日、山村は打撃投手のマウンドに立った。平石を相手に77球。内角やや高めを狙い、丁寧に投げ込んだ。1軍のマウンドで見せるスピードはまだない。あくまで、打者への感覚を確かめる意味で、1球1球を大事に投げていた。 「マウンドで打者に向かうのは2月以来かな。平石に打たれるようじゃ、ダメだけどな。まあ、ストライクは投げられるね。十分、投げられる」。ちょっぴり笑顔を交え、うなずき、言った。 リタイアしたのは3月初旬。長崎でキャンプ1軍合流した移動日練習だった。投内連携で痛みが出た。あれから5カ月。ようやく、打撃投手を務めるまで回復した。明日27日以降の肩の状態を見て、今後は復帰への道が再び始まる。 「なんでオレ、肩、痛めたのかな? 5カ月、気持ちは重いですよ。痩せたし。投げないと筋肉が落ちて、あっという間に4キロ落ちました」と、うらめしそうに、肩と腹をさすった。 1軍は、あっという間に最下位に転落した。マー君も離脱。投手陣は岩隈を除き、疲弊している感がある。最近に限ったことではないが、投手が終盤に打ち込まれると「去年は山村が、あそこで投げていた」「山村がいれば」という声を聞いたのは一度や二度ではない。中継ぎ、先発とフル回転した昨年の山村を、紀藤投手コーチは「投手陣のMVP」と評価していた。 その山村が、2軍で復帰の時を待っている。同じ肩痛の「マー君より早いかな」と冗談っぽく笑いながらも8月の復帰を見据えている。ただ、初めての肩の故障。明日の状態も分からない、恐怖もつきまとうという。雨が降れば、9月に試合は持ち越される。山村のいる投手陣で戦える試合が、1試合でも増えるといい。【金子航】 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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