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鱧(ハモ) 天然活… 料理長52歳さん

2009年06月16日
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 自他共に認めるチョコ好きで、結構な種類、量を食べているのですが、その中で一番のお気に入りは?と聞かれてしまうと、ちょっと悩んでしまうかもしれません。逆に今までで一番美味しくないと思ったチョコレートは?と聞かれると、迷わず自分で作っていてミルクを入れるタイミングを間違ってしまった物か、試食させてもらった虫下し用のチョコと即答する事ができます。

 チョコレートを作る際、何故ミルクを入れるタイミングを間違えると激不味のチョコレートになってしまうのかについては、ちょっと話が複雑になってしまうので別の機会に回すとして、今回は虫下しのチョコレートについて話をしたいと思います。

 虫下しのチョコレート、虫下しという言葉から判るように駆虫剤の一種なのですが、言わずと知れた体内の寄生虫を退治する薬です。薬なのに何故チョコレートなのかというと、複雑な歴史がその背景には隠されています。

 昔はセンダンや藁、ザクロ、柿などが駆虫剤として使われていたと言いますが、第二次世界大戦の直前頃からカイニン酸が含まれる天草を使った「マクリ」と呼ばれる薬剤が使われるようになります。

 マクリは効果が3割程度と低い割には不味いという欠点があり、好まれるものではなかったと言います。当時、農作物の肥料に人糞を使った事から、一気に寄生虫蔓延し、児童の9割が寄生虫に冒されていました。児童に駆虫剤を飲用させる事は急務と言えました。

 しかし、子供には我慢ができないほどの不味さが当時の駆虫剤にはあった事や、国民病とされていた結核の対策が優先されて寄生虫の対策は充分とはいえない状態となっていました。

 そんな中、駆虫剤をチョコレートに混ぜる事で子供に好まれるようにするという案が出されます。今よりもはるかに高級品であったチョコレートであれば駆虫剤の不味さをごまかせるだけでなく、子供に好まれると考えられました。

 物資不足であった事から、サツマイモのデンプンから作ったブドウ糖に駆虫剤を混ぜて、ココアを入れてチョコレートと称した事から始まっていますが、アンテルミンチョコレートという洒落た名前も付けられています。

 アンテルミンの語源は、アンチと寄生虫を意味するヘルミンスから作られた言葉で、対寄生虫チョコレートという意味を持っています。駆虫剤という機能は有していましたが、それまでの駆虫剤のような耐え難い不味さがない事から、「良薬、口に苦し」という固定概念を持つ薬局では取り扱いを敬遠されたという話も残されています。

 その後、製造メーカー自身の地道な努力もあって、アンテルミンチョコレートは広く普及し、学校で行われる寄生虫の検査に何らかの反応が出ると、アンテルミンチョコレートが利用されるようになっています。たくさんの子供達を寄生虫から救ったアンテルミンチョコレートですが、寄生虫の減少に伴い姿を見かけなくなっていきます。

 チョコレートとしては、あまりに薄っぺらい感じの味だけが印象に残されていますが、ブドウ糖に駆虫剤を溶かしてココアを混ぜただけの物からの発展形と思えば、ずいぶんとチョコレートに近付いたと評価すべきなのかもしれません。





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最終更新日  2009年06月16日 08時14分35秒
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