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テーマ:今日の健康状態は?(10549)
カテゴリ:薬
子供の頃、ギョウチュウの検査の為に学校からセロファン製の採卵式検査シートを渡される事があり、子供心に独特の検査方法が強烈な印象として残されていました。当時はギョウチュウ検査「ポキール」としか認識していなかったのですが、後に多くの事を知る事となります。
ギョウチュウ検査「ポキール」と思っていた検査シートは正式名称を「ウスイ式ぎょう虫検査・セロファン2回採卵式」と言い、駆虫薬「ポキール」の販促品として作られた物で、ポキールという名前は駆虫薬の事で検査シートを指すものではありません。 ポキールという名前は、すでに製品化して売られていた駆虫薬「ポバン」と「バンキュール」を合わせて作り出された和製英語とされ、そのポキールを使ってくれる患者を探すために使われていたのがセロファンの検査シートだったという事になります。 また、検査シートに添えられた説明書にはキューピーが描かれ、一目で使い方が判るようにしてあったのですが、そのキューピーも本物のキューピーではなく、キューピーに酷似した「丸輪太郎」なる人物という事で、髪型や背中にある小さな天使の羽には思わず苦笑してしまうものがあります。 丸輪太郎の丸輪は、検査シートの検査範囲を示す丸印から付けれたものとされ、丸い輪の中心部には「+」が書かれていてその部分を中心に貼り付けるための物と考えられていますが、どちらかと言うと「+」は顕微鏡で検査する際の中心目安に書かれているそうです。 検査シートは、ほぼ全校生徒が使用した事とは思いますが、なかなか本製品のポキールにまでたどり着いた生徒はいなかったようで、噂に聞く赤い錠剤を見た事はありません。ポキールは発ガン性が指摘された事から1990年に製造が打ち切られ、「コンバントリン」や「パモキサン」に代わっているため、今では陽性反応を示したところで誰も手にする事はありません。 ポキールが製造されていない以上、検査シートの袋にポキールの名前が書かれている事はないはずなので、あの検査シートをポキールと呼ぶ事もないのかと思い、これも世代を判断する要素の一つとなっていくのかと考えてしまいます。 ターゲットスコープのようなどことなく凛々しくさえ見えてしまうセロファンを懐かしく思い出してしまうのですが、同じ世代でも関東地方の一部では丸に「+」ではなく渦巻き模様が記されていたと言います。こちらはポキールではなく、ピンテープと呼ばれていたとの事なので、ポキールとは世代と地域に紐付くキーワードとなるのかもしれません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年06月25日 08時36分33秒
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