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カテゴリ:健康
家族の中で私だけが違うという事がよくあり、子供の頃はよその家の子ではとからかわれる事もありました。そんな中の一つといえるのかは謎ですが、私だけが盲腸を経験していない事から虫垂を保持しており、体質を受け継がなかった、子供の頃に「こんにゃくをしっかり食べておかないと、体内に砂が溜まって盲腸になるぞ」と聞かされ、こんにゃくをよく食べる子供だった事が幸いしたとも思っています。
一般的には盲腸と呼ばれる事の多い急性虫垂炎は、小腸から大腸へと移った直後の部位、盲腸の末端部にあたる7cm程度の鉛筆のような部分が何らかの原因で詰まってしまい、2次的に細菌感染を起こしてしまった事で引き起こされています。 虫垂が詰まってしまう理由としては腸の内容物によるものや、リンパ小胞と呼ばれるリンパ球を作っている部分の増殖によるものが多いとされ、砂が溜まるとされたのは腸の内容物によって虫垂が詰まってしまう事を表していたと考える事ができます。 リンパ小胞の発育が10代の後半から20代の前半にピークを迎える事から、盲腸の発症もその頃が多いとされ、右下の腹部がズキズキと痛むという特徴的な症状があります。 虫垂はこれといった役割を持たない事や摘出手術をした人のその後の生活を見ていても不具合は皆無とされ、それならばいつ悪くなるか判らない器官を抱えておくよりも健康なうちに早めに摘出しておけば不快な症状を経験する事もなく、元気なうちに自分の都合に合わせた治療が行えるのではと思ったりもします。 そんな虫垂の役割が疫学的な見地から明らかにされようとしています。虫垂は腸内のバクテリアが暮らす安全な隠れ家としての機能を有していて、赤痢やコレラなどのように菌が宿主となる善玉菌を死滅させてしまう病気に罹った際、消化システムを再生させるための役割を担っているとされます。 かつて狩猟生活が中心で人々がまばらに暮らしていた頃、消化器官の病気になどによって腸内の善玉菌を失ってしまうと新たな善玉菌を補給する方法が限られ、長期に渡って体調不良を引き起こしてしまう事が考えられ、そのための保険として虫垂内には善玉菌が隠れ住んでいたと考える事ができます。 人口密度が上がった今日、人同士によって善玉菌の確保が可能な事から虫垂の役目は失われてしまったといえますが、発展途上国ではまだ役割は失われておらず、先進国よりも発展途上国の方が盲腸に罹患する人が少ない事も、人口密度が低く、腸内の善玉菌を失ってしまう可能性のある地域では虫垂は役割を失っていない事を伺う事ができます。 病の原因となる事だけが知られ、無用な臓器と思われていた虫垂にも役割がある事が判り、完全に退化して無くなっていない意味を知ったように思えます。安易に摘出せずに、善玉菌の隠れ家としてこれからも大切に保持していかなければと思えてきます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012年09月27日 07時54分01秒
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