ペットも熱中症
坊ちゃんの贅沢なベッドと呼ばれる我家のピアノ。黒い塗装がひんやりするのか、暑くなるとピアノに上って寝そべっている姿を見掛けるようになります。猫は快適な場所探しの達人といわれ、家の中でも涼しく過ごせる場所を見付けて過ごしてくれているとは思いながら、やはり暑い夏の到来には心配になるものがあります。 猫の祖先は砂漠に住むリビアヤマネコとされ、砂漠ゆえの暑さや寒さに強いとはいわれますが、想定外の暑さにさらされてしまった場合の熱中症が特に気になってしまいます。 猫や犬は人のように暑さから身を守る一環として、汗をかいて体の表面から熱を発散する汗腺が肉球の付近と鼻に限られているので、暑さに対し汗によって熱を放出するという事がほとんどできません。 そのため呼吸によって体内の熱を排出するのですが、人の手によって交配が進められ、鼻梁が短くなっている「短頭種」と呼ばれるパグやシーズーなどの種では、鼻腔で熱交換を行う距離が充分に確保できないために熱を発散する機能が弱く、熱中症になる危険性が高いといわれます。 短頭種は猫にも増えてきていて、犬と同じ状態になっているとされます。また、冷涼な地域で品種改良された長毛種も暑さには弱いとされ、日本のように湿度も高い地域では暑さ対策が必要とも考えられます。 普段から体温が高めであっても人と同じように41度を超えるあたりから体の細胞には障害が及び始め、42、43度付近ではタンパク質に変異が生じて臓器不全を起こす可能性が高まるとされます。 暑さが本格化して熱中症によって救急搬送というニュースが日常化する時期を迎え、共に暮らす家族の一員であるペットも例外ではない事を充分に考えておかねばと思えてきます。