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カテゴリ:健康
風船をもらって遊ぼうと思い、子供の肺活量では最初の一吹きが大変だった事が思い出されます。膨らます前に風船を手でさまざまな方向に引き伸ばしてみて、それから息を吹き込めば少しは楽だったのではと今になって思うのですが、当時はそんな事など考えもせず、まだ伸びた事のない厚いゴムが最初に伸ばされる固さに悩まされていました。
中に空気を送り込まれ、伸び始めた風船は全体が均等に伸びていくというより、強度が弱い部分から伸び始めて、その部分だけが薄くなって破裂するのではないかと、顔の前で起こっている事に不安になったりもしています。 大人になって「動脈瘤」の話を聞いた再、最初に思い浮かんできたのはそんな風船の姿でした。動脈瘤は文字通り体中に血液を送る動脈に、血圧の高まりによって強度的に弱い部分に圧力による膨らみ=瘤ができた状態を指し、強度的に弱い部分がどこにあるかについては個人差が大きいとされています。 動脈瘤に関する自覚症状はほとんどないとされますが、事前に血管造影などの検査を受ける事で見付かる事があり、私も脳内に動脈瘤が見付かり、精密検査を受けるようになった事があります。 検査はMRI(核磁気共鳴画像法)と造影剤を使っての血管造影で行われたのですが、太股の付け根を切り開いてカテーテルを入れ、動脈伝いに脳の右側を撮影し、一旦首の下辺りまで引き抜いて、脳の左側へカテーテルを移動させて撮影が行われた事には、どのようにしてカテーテルを分岐した血管伝いに脳の右や左に移動させたのだろうと、今でも不思議に思っています。 結局、私の動脈瘤は放置しておいても問題ないとの事で、その後、何も血液や血管に注意を払うような事はしていないのですが、今でも健康に過ごせています。 私の場合は問題なしで済んだのですが、父親は胸部の大動脈瘤の破裂で亡くなっているので、意外と動脈瘤に縁がある家系なのかもとも思えます。 父親の晩年は末期の肝臓ガンだったので、ガン細胞によって血液の流れが極端に悪くなった肝臓へ心臓が血液を送り込もうとして局所的に圧力が高まり、その圧力に負けて動脈瘤が形成され、破裂してしまったと考える事ができます。 動脈瘤の破裂は自覚症状や予兆のないまま急に起こり、一旦起こると重篤な状態に繋がるとされますが、事前に発見する事ができれば人工血管に換える手術によって未然に防ぐ事が可能ともいわれます。それに対し動脈が圧力によって縦に裂ける動脈瘤解離は事前の発見が難しいとされ、動脈瘤と同じ症状を引き起こすだけに怖い存在となっています。 そんな動脈瘤や動脈瘤解離のリスクは、これからの寒くなる季節に急に高まるとされます。朝夕に肌寒さを感じるようになり、夜間に思いのほか低い気温にさらされるようになると血管の収縮が起こり、内壁に掛かる圧力も高くなってしまいます。 寒さを感じながら目覚めた朝、一気に起き出す事が危険とされ、寝ている間に交感神経と副交感神経の働きが逆転し、下がり切っていた交感神経の働きが急に起き出す事で急激に高められ、血圧が一気に高まってしまう事が大きなリスクに繋がるとされます。 これからの季節、目を覚ましたら末端の手足からゆっくりと動かして交感神経を穏やかに目覚めさせる事が、健康的な朝を迎えるには必要かもしれません。布団から出る事が辛くなる季節ですが、覚悟を決めて一気にというのはお薦めできない事となっています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012年10月03日 07時52分58秒
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