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安産祈願の夫婦あわ… 料理長52歳さん

2012年11月20日
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 日頃からテレビは料理番組か時代劇しか見ないのですが、たまに番組をチェックしていて部分的に映画を見てしまう事もあります。そのまま終わりまで見てしまうという事はないので、見た場面がどのような前後の繋がりを持つものなのかを理解できない事も多いのですが、中には後々まで印象に残るものもあり、それなりに楽しんでいるとは思います。

 そんなつい見てしまう映画の一シーンの中に、主にカーアクション物の一場面だと思うのですが、運転席に据え付けられた怪しげな気体が入ったボンベのノズルを開けると、瞬時に車が異常な加速をはじめるというものがあり、運転している人がシートにすごい勢いで押し付けられるような描写に、圧倒的なパワーアップが行われた事を伺う事ができるものがあります。

 そうした映画に登場する怪しげな装置は日本では「ニトロ」、本場のアメリカでは「ナイトラス」もしくは「ナイトラス・オキサイド・システム」と呼ばれるもので、比較的簡単に高出力が得られる改造法として一部のマニアの間では強力な支持を得ているといいます。

 確かにニトロが使われる場面は、如何にも「奥の手」という感じで登場し、暴力的なまでの加速力が得られている事から見ている側も盛り上がるものがあるのですが、そんな盛上りに水を注してしまいそうな不都合な真実が隠されている事はあまり知られていません。

 ニトロはその言葉の響きや圧倒的なパワーという演出から、強力な爆発力と燃焼力を持つニトログリセリンや高出力燃料であるニトロメタンなどが使われているような印象を与えるのですが、ニトロで使われているボンベ内の気体はそのような怖ろしげな物ではなく、笑気ガスとして知られた「亜酸化窒素」となっています。

 亜酸化窒素は1772年にイギリスのプリーストリーによって発見され、吸引すると軽い酩酊作用がある事からパーティーグッズとして使われていました。笑気ガスの名前が示すようにパーティーの途中で吸引すると笑いが止まらなくなる事から、パーティーを盛り上げてくれる物として使われていたのですが、酩酊して千鳥足となった人が家具に足をぶつけても大して痛がらなかった事が亜酸化窒素を麻酔として使用するという発想に繋がったともいわれます。

 亜酸化窒素が正式に麻酔として使用可能である事は1796年にイギリスの化学者、ハンフリー・デービーによって証明されています。その後、亜酸化窒素を用いた麻酔は笑気麻酔と呼ばれ、手術や抜歯の痛みを和らげるものとして使用されますが、鎮痛効果が大きい割には完全に麻酔する事ができないため、他の麻酔薬と併用する形で使われるようになっています。

 そんな麻酔薬が何故パワーアップに使われるのだろうと思えてくるのですが、亜酸化窒素は高温にさらされると窒素と酸素に分解し、その酸素はガソリンの燃焼を助けて出力の向上に繋がるとされます。

 また高圧でボンベに封入されていた亜酸化窒素が気化する際、周囲の熱を強力に奪うためにエンジンに贈られる空気の密度が高まり、燃焼効率を高める働きもあるといわれ、理論上、ニトロはエンジンのパワーを2.5倍に高める事が可能で、実際の車両でも1.5倍くらいには高められるといいます。

 ニトロは第二次世界大戦中、ドイツで高空を飛ぶ戦闘機の出力の低下を補い、エンジンを冷却するための装置として開発されています。戦闘機由来の技術で、瞬時に強力な加速力を得られるシステム。その中心となるのは笑気ガスと、どこかアンバランスなものを感じるニトロですが、かつてはパーティーを盛り上げたものが今では映画を盛り上げていると考えると、それなりに納得がいくものを感じてしまいます。笑気ガスの単価を考えると10秒ほどのフル加速で千数百円が掛かるとの事なので、やはり映画の中の物なのかもしれないとも思えてきます。





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最終更新日  2012年11月20日 08時05分13秒
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