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カテゴリ:健康
生前、父親は大変な医者嫌いで、中でも特に歯科へ行く事を嫌がっていました。「そうなる前に早く行っておけば良いのに」といわれながら、時には頬まで腫れて見ている方が痛々しくなってくるという事も幾度かありました。
父親ほどではないにしても歯科が苦手という人は多く、私も学生の頃、歯科の家の子の家庭教師をしていて、ビルの裏手から入って2階の玄関へと向かう階段まで聞こえてくる治療用のドリルの音には、どこか背筋が寒くなるものを感じていました。 そんな歯科への苦手意識は虫歯を生じやすい子供の場合、特に治療の妨げとなりえるという事もあり問題視されているのですが、その根源は父親にあるという興味深いレポートが行われていて、自分に照らし合わせて変に納得するものを感じています。 スペインのマドリッドに住んでいる183人の子供とその家族を対象とした調査によると、子供の歯科恐怖症には相関関係がある事が判ってきていて、子供が歯科に対し恐怖を抱くかどうかについては父親の影響、父親が歯科を怖がっているかどうかが大きいとされていました。 子供は歯科へ行く事についてどの程度心配し、どの程度恐怖するのかを父親から最も多く感じ取っているとされ、父親が歯科へ行く事を怖れていると、その恐怖は子供に伝染して歯科恐怖症の子供になってしまうと結論付けられています。 一家の中で最も強い存在で、家族を守るべき立場の父親が恐怖を感じるのであれば、庇護下にある自分も怖れるべき対象であるはずと感じるのは、生物としては当然の事と思えます。 父親の恐怖心を効果的に抑える事ができれば歯科恐怖症の子供を減らす事ができ、治療が遅れてしまうという事も未然に防げるのではとレポートではいわれていましたが、その後に待ち構えている治療用ドリルの怖ろしさを思うと、それはとても難しい事のように思えてきます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012年12月03日 08時07分15秒
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