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カテゴリ:健康
以前、パソコンに向かって原稿を書いていて、週末という油断と疲れでそのまま眠ってしまい、座ったまま朝を迎えるという事がありました。何事もなければ風邪をひかなくて良かったと思いうながら、今後、そんな事がないようにと注意するだけで済むのですが、その日は右手に力が入らず、手首がだらりとぶら下がったままになっています。
動かしてみようとしてもまるで力が入らず、手を真っ直ぐ伸ばそうとしても変な方向に曲がってしまうので、何らかの麻痺だとは思えたのですが、原因となる事は何も思い浮かばず、脳の虚血障害とかではないと良いなと思いながら当番で休日の診療を行っている近くの外科へ行く事にしました。 病院では朝起きたら腕が麻痺していた事を説明し、何も思い当たる原因はない事を説明すると、とりあえずという形で握力計を渡され、いわれるままにハンドル部分を握ってみても計測盤の針がまるで動かず、真面目にやりなさいといわれはしないかと心配になってきます。 手の甲の感覚を確認するために数カ所を鋭利な先端の物で突いてみて、動かない指や知覚などの特徴から典型的な週末麻痺だといって笑われてしまいました。 一週間分の疲れが溜まっている週末は、次の日が休みという油断もあって私のように椅子で眠ってしまう人が多く、椅子の角などに神経が圧迫されても起きたり姿勢を変えたりせずに寝ていると、麻痺が起こって私のような状態になるのだと説明され、症状ばかりでなく原因まで典型的だと思えてきます。 私ほどひどい状況ではないにしても腕を頭の下に添えて「腕枕」で眠った後、起きてみると手首に力が入らないという状態になった経験を持つ人は多い事と思います。腕を走っている橈骨(とうこつ)神経が圧迫される事によって起こる麻痺とされ、そのままの名称、「橈骨神経麻痺」と呼ばれています。 橈骨神経は手首を反らしたり、指を伸ばすといった動き、親指から中指にかけての手の甲の部分の触覚や温度変化などを感じる役割を担っています。その橈骨神経が一定期間圧迫された事で麻痺が起こるために、気が付くと手首を支えられないという状態になってしまいます。 基本的な治療は安静にする事と神経の回復を促すビタミンB12の投与、神経の傷みが激しい場合は消炎鎮痛剤の服用となりますが、私の場合も医師に迂闊な居眠りを笑われた後、ビタミン剤の処方のみとなっていました。 橈骨神経の麻痺が起こった場合、まず3分様子を見て回復しないようなら30分。それでも変化が見られないなら3時間、3日、3週間と3の単位で経過を観察すると良いというアドバイスも受けました。 橈骨神経の圧迫が長い期間になると神経線維に変形が生じ、そうなると回復までに多くの時間を要する事にもなるともいわれます。最近、疲れている人が増えたせいか、患者は増加傾向にあるともいわれるので、事前に症状を知っておき、慌てずに対処する事が大切なのかもしれません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013年04月16日 07時47分41秒
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