|
カテゴリ:健康
子供の頃に読んだ本の中に四六時中、部屋の温度を凍えるほどの低温に冷やし続けている隣人の話があり、古びたアパートの雰囲気と部屋を冷やすクーラーがアンモニアを使っているという事に古びた時代感を感じられた事が思い出されます。
日本では空気を冷やして冷風を吹き出す用途で使われるためクーラーと呼ばれる事が多いエアコンは、意外な人物、ベンジャミン・フランクリンによってその原理が発見されています。 1758年にフランクリンとケンブリッジ大学で化学の教授を務めていたジョン・ハドリーはアルコールなどの揮発性の高い液体を使い、蒸発させる際の気化熱を使って物を冷すという実験を行い、エーテルを使う事で水銀の温度計をマイナス14度にまで冷却する事に成功しています。 その後、イギリスのファラデーが1820年に圧縮する事で液状化させたアンモニアを気化させ、回りの温度を下げるという今日のエアコンや冷蔵庫の基礎となる原理を発見し、1842年にフロリダの医師、ジョン・ゴリーによって氷を作ったり病室を冷すといった役割において実用化されています。 初期のエアコンにはファラデーからの伝統でアンモニアが冷媒として使われていたのですが、アンモニアには腐食性があり、エアコンのシステムが腐蝕されてアンモニアが漏れ出すと有毒でもあった事から、安定的に作動する無害な冷媒が求められていました。 それが解決されたのが1928年の事で、トマス・ミジリーの手によって今日のようなフロンガスを使ったエアコンが考案されています。しかし、人体には無害なフロンガスですが、オゾン層の破壊という問題を引き起こすとされ、今日ではオゾン層に無害な代替フロンと呼ばれるものが使われるようになっています。 以前、車のエアコンが壊れた際、事細かにエアコンの仕組みを観察した事があります。コンプレッサーでガスを圧縮して液化し、高温の液化ガスの熱を発散。再度気化させて熱交換器を冷し、熱交換器に風を当てて冷風を発生させるという仕組みはとても感動的に思え、考えた人の凄さを思っていたのですが、歴史を掘り下げてみると意外な人物に繋がり、テクノロジーの進歩の面白さを感じてしまいます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013年05月31日 07時42分31秒
コメント(0) | コメントを書く |
|