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カテゴリ:健康
テクノロジーの発達を語る際の言葉に「ムーアの法則」があります。発達したテクノロジーが次のテクノロジーを生み出し、テクノロジーの発達は加速されていく事を法則化したものですが、最近になって破綻がいわれながらも、多くの事に当てはまるともいわれています。
法則の細かな内容は別として、一つのテクノロジーが存在する事で新たな着想を得る事や、考え付いた案を現実にする事が可能となるので、世の中は加速度的に進歩を続け、その中で生活する私たちも高度に成長を続けていると思えてきます。 しかし、現代人の知能は100年前をピークに下がり続けており、IQ(知能指数)にして平均で14ポイントも低下しているというショッキングな研究結果が報告されています。 日々大量の情報に触れ、その中から自分に必要なものを取捨選択し、さまざまな物資に囲まれて生活する現代人の方が知的に鍛えられる環境にあり、そうした生活がはじまりを迎えようとしていた100年前の人とは比べようがないとも思えてくるのですが、生物学的、遺伝的なIQ測定の指標として広く用いられる「反応時間」を元に測定を行ったところ、この100年の間の知能の下落が確認されています。 反応時間は主に視覚刺激などの感覚情報に対する反応時間を測定するものであり、進化論で有名なダーウィンのいとことしても知られる英国の人類学者、フランシス・ゴルドンによって知能と反応時間の相関関係が提唱されて以来、環境要因に影響されない指標として用いられるようになっています。 1883年にゴルドンによって提唱された後、1884年から2004年に欧米で行われた14件の反応時間を測定した研究を検討したところ、1889年には平均して1秒当たり194ミリの反応時間であったものが2004年には275ミリにまで長くなっており、IQに換算すると10年で1.23ポイントの下落となり、100年では14ポイントも知能が低下した計算になるとされます。 しかし、全く逆の意見として第二次世界大戦以降、世界的に人々のIQは平均で3ポイント向上したとする「フリン効果」も存在し、今回の研究結果と矛盾するものとなっています。 フリン効果について今回の研究を行った研究チームは、単純に生活環境が改善された事によってもたらされた見せかけの知能の向上であり、純粋に遺伝的に継承された能力としての知能を計測した今回の研究とは結果が異なるのが当然としています。 生活水準や教育の向上によって良い成績は出せるようにはなっていても、いわゆる地頭(じあたま)、考える力は低下しているといわれた感じですが、研究チームは現代社会に共通した傾向として見られる女性の知能と出産率の反比例が原因の一つにあるのではと指摘しています。 そろばんが上手に使えない自分の事を振り返ってみると、テクノロジーの進歩が低下の原因ではとも思えてくるのですが、先天的な能力としての知能なので、後天的に接するテクノロジーとは関係ないともいえます。何が原因なのか、単なる好奇心だけではない究明が必要なように思えます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013年06月19日 07時50分36秒
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