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カテゴリ:食事
クリスマスが近付いてくると、一年を通して最もケーキに注目が集まる時期がやってきたと実感する事ができます。以前、住んでいたマンションの近くには有名な洋菓子店の工場があり、意外なほど早い時期から遅い時間までケーキが焼かれて準備が進められいて、そんな時期が来たのだと思いながら、それにしては早過ぎると考えていた事が思い出されます。
最近では種類が異なる小さなケーキが寄り集まって、一つの大きなホールケーキのような姿となっていて、好みの部分を選んで食べられるという楽しげな物も見られるのですが、クリスマスというとパーティーや家族で囲むという事もあり、ホールのケーキが圧倒的に多いように思えます。 我家も例に漏れずケーキをホールで購入するのはクリスマスくらいの事となっていて、普段は小さなショートケーキを購入する事が多くなっています。 ショートケーキはそれ用に作られた物もあるのですが、ホールケーキから切り出されて小分けされた物もあり、何故「カットケーキ」ではなく「ショートケーキ」なのだろうと思えてきます。 カクテルを分類する際、小さな三角形のカクテルグラスに入った物を「ショートドリンク」、タンブラーなどのコップに入れられて氷が入った物を「ロングドリンク」と呼びます。飲んでしまうまでの想定時間に由来した呼び名らしく、氷が入らず容量も少ないカクテルグラス入りの物は文字通りショートな時間で飲みほしてしまわれます。 ショートケーキもホールケーキと比べると短い時間で食べてしまうように思えて、それ故にショートケーキなのかとも思えるのですが、ホールケーキも数人での消費が考えられるので、食べてしまうまでの時間に大きな違いはないように思えてきます。 そんな事を考えながら見ていると、個人用の小さなケーキをショートケーキと呼んでいるのは日本だけで、欧米では同じようなケーキは「レイヤーケーキ」もしくは「レイヤードケーキ」と呼ばれています。 ショートケーキと呼ばれるお菓子も存在するのですが、日本のショートケーキとは全く異なり、ビスケットなどにクリームや果物を飾り付けた物となっています。このビスケットを使ったショートケーキを元に日本人好みの柔らかいスポンジを使って作られた事が、後に一人用のケーキをショートケーキと呼ばれる由来となったともいわれます。 また、「ショート」には「サクサクした」「もろい」という意味があり、しっとりとしたスポンジに対しサクサクの食感を持つビスケットを使ったケーキを「サクサクのケーキ」の意味からショートケーキと呼んで日本にも伝えられ、ビスケットがスポンジに変わりながら名前だけが残されたという意見もあります。 ショートを「短い」と解釈する意見も根強く、大きなホールケーキに比べて小さなショートケーキは短時間で作る事ができるためとする説や、生クリームや果物など日持ちがしなくて短時間で傷んでしまうためともいわれます。 原材料に由来するという意見もあり、スポンジを焼く際に植物性の油脂であるショートニングが使われる事から、「ショートニングを使っているケーキ」という意味からショートケーキとなったとする説も存在します。 どの意見ももっともらしく思えてくるのですが、日本における洋菓子の歴史を見ていると、最初にビスケットを使ったショートケーキが入ってきている事から、サクサクケーキのビスケット部分がスポンジに変わり、名前だけが残ったというのが正しいように思えてきます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013年12月19日 07時52分49秒
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