カテゴリ:囲碁
安田プロが始めた囲碁普及の最初の動機も、ある自殺した子供のことを知って、囲碁を覚えていたら死ななくて済んだのではないかと考えたから、と読んだことがある。
一度、子供を連れ、安田メソードによる子供の初心者向けのポン抜きゲーム大会に参加したことがある。ゲーム感覚で大人と子供が一緒に遊べて、囲碁の入り口として素晴らしいものだと思った。 ただ、そこから興味を持続させて好きになってもらうのは、なかなか難しいものだと思う。いい先生のいる子供教室など、いい環境や親の努力がないと難しいと実感している。 うちの場合は、私の自業自得とは言え妻の協力がないのが痛い。一時、子供囲碁教室に連れて行っていたが、私の忙しい時に妻が連れて行ってくれないので致命的である。私が相手をするのだが、子供が周囲にいないと張り合いが生まれにくい。それと、教室の先生は教えるというより遊んでいるような感じで相手をしてくれるのだが、親の私だとどうしても何か教えたくなってしまうのがいけないようだ。 そう言えば、安田メソードの会場でもすごい光景をを見た。会場に極端に集中力のない子がいて、よそ見したりしてちっとも打たない様子だった。 そのお母さんは、ヒステリックな声で「早くしなさい!何やっているの!打ちなさい!」と叫び続けていた。子供の方は、しかられると余計に意固地になって、打とうとしないように見えた。集中力のない子の治療に囲碁は役立つとは思うが、これでは余計に悪化させてしまう。この子の前途を思うとひどく暗い気持ちになってしまった。 私も人の事は言えない、子供に興味を持ってもらうには大人の忍耐力も重要だと思う。 ところで、羽根泰正先生がテレビの対談番組の中で言っていたことに衝撃を受けたことがある。それは、直樹さんを育てるために、予め自分の奥さんに碁を教えて、更に直樹さんのお兄さんに碁を教えたというのである。 そして、自分では全く教えずに他のプロの囲碁教室に兄弟そろって行かせたというのである。 何とすばらしい作戦であろう。直樹プロを一流プロに育てたのは、泰正先生ではなくて泰正先生が用意した環境だったのだ。さすがに、一流棋士らしい見事な仕掛けである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jun 19, 2005 04:24:28 PM
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