|
カテゴリ:手術全般
私が専門としている白内障手術、術式としてはかなり完成され一般的にいって成功率も高い手術なのですが、それでも合併症も起こるときには起こります。
そのため手術に際して私が常に肝に銘じているのは、
1.手術前に万全の準備をしておくこと。
2.とにかく丁寧に手術をすること。
3.仮に合併症が起こった場合でもそこからの処理をきちんとすること。
の3つです。皆様の大切な眼をお預かりしての手術ですので当たり前のことばかりですが、今日はその手術前の準備の話を少ししてみようと思います。
手術前には全ての患者様について、それぞれの目の状態を徹底的に分析し、使用する薬剤、道具を微調整します。このカルテの患者様で言えば、
1.かなり緊張される性格なので術前に不安を和らげる注射をする。 2.瞳が開くのにやや時間がかかるので、手術開始直後に瞳を開くミドリン水という薬を使う。 3.眼の長さ(眼軸長)が21.5ミリと普通の方より短くて手術時の作業スペースが狭いので、いつも以上に丁寧な手術操作を心がける。
という戦略を立てているわけです。そして手術室でも常にこの画像を表示し、手術前の戦略どおりに手術を進めるようにしています。
もう一人、別の患者様も見てみましょう。
この患者様では、
1.若い患者様でCCCという操作時にやや危険を伴うので、そこに意識を集中させる。
という「大切な1点」にフォーカスする、という戦略を立てています。
このように、私はとにかく「一つ一つの手術にベストを尽くす」ことを手術眼科医としての最大の目標にしています。もちろん常に勉強を続けて、自分自身の腕も更に少しでもあげるように頑張っていきたいと考えています。
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009.09.15 17:48:31
[手術全般] カテゴリの最新記事
|