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カテゴリ:外来診療一般
さて昨年の12月13日の発売以来、今日までで当院でも2000本以上を処方させて頂いた「ドライアイ」の画期的な新薬ジクアス点眼液ですが、
たくさんの患者様からその使用感を教えて頂き、また処方後の目の状態を診せて頂くことによって「ジクアス点眼液の長所と短所」がかなり見えてきました。
まず第一に言えることは、ジクアス点眼液は従来型のヒアルロン酸の点眼薬(商品名で言うとヒアレインやティアバランス)よりも明らかに効果が強い、目の表面の傷を改善する力が高い、ということです。やはり15年振りの待望の新薬だっただけのことはあります。
そして次に言えることは、その高い臨床的効果を背景にして患者様の「自覚症状」が改善する場合が非常に多いと言うことです。それは具体的には、
ジクアス点眼を始めてから、明らかに目の調子が良くなった。
パソコンをするときに目がほとんど疲れなくなった。
本が読みやすくなった。
点眼してしばらくすると目が元気になる。
目が常に潤っている感じで視力が良くなった気がする。
などの患者様からの喜びの声で分かります。従来型のヒアルロン酸の目薬では、ここまではっきりした明白な評価を戴ける事はほとんどなかったので、やはり「ジクアスは凄いな」と思います。
その反面、「ジクアスが合わない」患者様も一定の率で存在することも分かってきました。合わない患者様は、
ジクアスさしたら涙が出っ放しになって仕事にならない。
常に泣いてるみたいで目がウルウルになってしまい、本も読めない、テレビも見れない。
涙が出るので気にして目を触っていたら周りが腫れた。
うまく言えないが良くない。前のヒアルロン酸の目薬の方がサラッとしていて良い。
などと仰います。10人処方させて頂くと1人くらいが合わない、という印象です。
ジクアスはその薬理作用上、目の細胞からの水分とムチンという物質の分泌を促進しますので、点眼して「涙が出る」というのはある意味当然なのですが、どうやら「効きすぎる」患者様がいるようなんですね。
そういった患者様に関しては、点眼回数を絞る、従来型の点眼に戻す、などの対処をしていますが、これからも更に勉強を重ねてより精度の高いドライアイ治療を目指して行きたいと考えています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011.01.24 17:59:00
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