★言葉の意味を決めるモノ!!★さて、今回は、特別編をお送りします。今、話題になっている英語表現は、"show the flag" ですね。 ★数日前の国会でも、菅直人氏と小泉首相がこの"show the flag"の 意味を議論しておりましたね。 "show the flag"とは、 実に色々な意味合いがあります。 「会合にちょっと顔を出す」・「自分の立場を表明する」「旗を振る」 「国の力を示す」、「軍事的な存在感を示す」 などなどです。 ★私の持っている「ロングマン英英辞典」では、「軍事的な存在感を示す」と あります。でも、「軍事的に存在感を示す」と言う意味と 「自分の立場を表明する」とでは、日本語としては、意味が違いますね。 ★ show the flag に関して、小泉首相は、答弁で、 「要するに、「日本の協力を示して欲しい」との意味に解釈している」と 言っておられました。 ★show the flag の the flagは、「日の丸」の事ですね。 日本人が(日本人に向かって) the flag と言えば、日の丸と言う事で す。 これは、前にしました the と a の講義でもお判りになるでしょう。 要するに、「「日の丸」を見せて欲しい」と言う事です。 ★実際、米国側が、どの様な発言の流れの中で show the flag と言ったのか ? それが判らないと、show the flagの正確な意味は特定できませんね。 私は少なくともそう思っております。 (ただし、この意味は、私なりに判っております。が、 ここでは言わないようにしましょう) ★さて、ここで、注目すべきは、言葉の意味は、(言葉が発せられる状況、 会話者の立場、その他の状況)で決まると言う事です。 show the flag だけをとると、色々と意味がありますので、 その意味を限定するには、状況が必要になります。 ★ですから、ひょっとしたら、「自衛隊を動員して欲しい」と言う意味かもし れません。 また、「単に協力して欲しい」と言う意味かもしれません。 show the flag のみで考えてみると、 米国側が、わざと曖昧な言い方にしている印象も感じられます。 ★言葉の意味は、その発話状況と表裏一体です。 例えば、 Finally I got him. とは、状況によれば、 *やっと、連絡がとれた。 *やっと、捕まえた *やっと、逮捕した *やっと、彼の言っていることが判った。 *やっと、入社してくれた *ついに、彼を殺した *やっと、彼と電話が通じた。 *やっと、彼と(性的に)した *ようやく、彼をだました などなど最低で10通りは、意味があります。 ★この広い意味を決定するのが状況です。 ですから、我々が英語を練習する時、特に 読んだり、聞いたりするとき、状況に応じて 意味を把握し、また、逆に、「この状況では~言う」というのを はあくせねばなりません。 そうするには、英語を、普段着の日本語で訳したり、 方言で訳したりする事も1つの練習方法です。 そういう練習をしていくと、例えば: China and Japan have many things in common. For example, we both use kanji. を見たとき、 これは中学の1年生教科書からとりましたが、 この文章から: 共通点がある=have things in common 共通点がない=have nothing in common 相思相愛=They both like each other. 犬猿の仲=They both dislike each other. 肝胆相照らす仲=They both are honest and frankly with each other. とすぐにひらめくことが出来ます。 ★これは、中学校の英語の教科書(1年生)の内容から 楽に応用できることです。学校の授業で、ここまで突っ込んですれば、 発信英語には苦労はしません。 学校・塾の英語の授業では、「状況を踏まえて意味をとる」事が 無視されておりますね。誠に残念です。 ★別の例: 「ゆかり」という日本語も 状況に応じて、色々と使う英語が違います。 ① 宮本武蔵ゆかりの刀。 ② 芭蕉ゆかりの池。 ③ 漱石ゆかりの茶店 など ④ 松下会長ゆかりのバー 同じ「ゆかり」という言い方でも、 上の4文章は、言い方が違いますね。 お判りでしょうか? 連休の間、考えてみて下さい。 ご質問は何なりとされて下さい。 末次通訳事務所 代表 末次賢治 拝 |