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テーマ:映画レビュー(894)
カテゴリ:日本映画
犬童一心と渡辺あやの『ジョゼと虎と魚たち』のコンビが送ります。 未アップの作品がいっぱいで、さて、どれを書こうかと悩んでいた所、たまたま聴いていたMDから柴咲コウの曲が流れたので、この作品にしました。 塗装会社で事務員として働くさおりのところへ、ある日1人の男が訪ねてくる。さおりには幼い時家を出て行った父親がいるが、その男は父親の今の恋人だと言う。現在父親は、ゲイの為の老人ホームを経営していて、末期がんで死期が近いらしい。その男はさおりにホームを手伝わないかと誘うが・・・ 海辺に立つ老人ホーム「メゾン・ド・ヒミコ」。 ちょっと異様な雰囲気が漂うそのホーム。自分と母親を捨てて出て行ったゲイの父親をどうしても許す事が出来ないさおりは、最初ホームの手伝いを断りますが、日給と遺産が破格なのでそれにつられてやってきます。 大きく開いた父親との関係はなかなか埋められないけれど、それでも少しずつ何かが変わっていく。 最初私も、メゾン・ド・ヒミコの一種独特な雰囲気になかなか慣れずに観ていましたが、さおりと同じように映画が進むにつれ、自然とその場所に居ることが出来るようになっていっていました。 とにかく本作は役者がいい。役者の個性を充分に引き出している、とも言えるかもしれませんが。 田中泯の父親は当たり役です。そしてオダギリショーの中世的な魅力と美しさがこの役にピタリと来て、スッピンの柴咲コウは正直お顔も最初は性格もとっても悪いのに、それがどんどん変わっていくのですよね。いや、正直、どんなにきれいな女優さんでもスッピンはあんなもんか、と思ってしまいました。それだけ、この監督は女優だろうが何だろうが、美しく撮らなくてもいいんだ、って思っているのかもしれません。要するに演技で勝負と言うことなんでしょう。この映画での柴咲コウは、とてもよかったと思います。 ちょっと独特の雰囲気があって、好き嫌いはありそうな作品です。 性差別、老後、病気、死、孤独、いろんなテーマがそこにはあって、誰もがどこかに当てはまってしまう。そんな事が頭をよぎり、切なくてちょっと泣けました。 2005年 監督:犬童一心 脚本:渡辺あや 出演:オダギリジョー、柴咲コウ、田中泯、西島秀俊 他 メゾン・ド・ヒミコ(期間限定)(DVD) ◆20%OFF! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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