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2005.06.30
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カテゴリ:夢のような夢の話
「クラシックは、好き?」

聴いたこともねぇよ。

「わたしは、好き」

あ、そ。きっと、眠くなる。

「じゃあ、何が聴きたいのよ」

オマエが、どんな声で啼くか、とか。

「…何それ。バカじゃないの」

バカで結構。

そう言ってソファから立ち上がり

レコードの針を落とした手に、後ろから触れる。

髪が、きつく甘い匂い。

俺の嫌いな匂い。

「じゃあ、近付かなければ?」

アレと一緒だよ。きっと慣れれば癖になる。

「あれ?」

さぁ、珍味みたいなもんじゃねぇの。

「そろそろ、本気で、怒るよ」

怒ったオマエも見てみたい。

頬を叩こうとした右手の手首を押さえ、

強く引き寄せる。

ぐらり、と倒れる身体を、支え、

自分の身体で受け止めるように。

やわらかい髪に

きつく、甘い匂いのする髪に

唇を少しだけ、つけて。

「あなたの、匂いがする」

俺の、胸の辺りから声が聞こえる。

顔は見えないけど、少し震える声。

俺の、匂い?

「うん、あなたの、あなた、だけの」

くぐもった声。少し、鼻にかかった。

泣いて、いるのか?

ぐうっと熱くなって、両手で、強く

腰を引き寄せた。

強く、強く。甘い髪の匂いが

より強く鼻を抜けていったけれども

もう、すでにその匂いの虜に

なってしまっていたのかも知れない。

両腕の中の小さな両肩の震えが大きくなる。

できるだけ、できるだけ優しく、尋ねる。

なぁ、なんで泣いているんだ?















「違うの…その…ワキの、臭いが」






























汗びっしょりになって飛び起きた僕は

寝癖そのままにコンビニにチャリをすっ飛ばし、

メンズ8×4をですね、こう、スゴイ形相でレジにですね。

置くわけですよ。
















夏が、来る。





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Last updated  2005.06.30 20:02:31
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