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2005.07.23
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少し考えた後に、なるべく短いメールを送ることにした。

その代わり、日付が変わってすぐ、0時丁度にメールをしようと、

5分進んだ腕時計を見ながら、送信ボタンに指をかける。

腕時計の表示が0:05になったのを確認して、メールを送る。

その後に、黒い、黒い空を見上げて、歩を止めた。

僕の周りだけが流れて行って、この季節にしては涼しい風を腕に感じた。

誕生日を一緒に迎えられないようになって、これで2度目。

一昨年は、なんて考えそうになった自分が余りに滑稽で、自嘲気味に笑う。

日付が変わったと言うのに、依然、街から人の数は減らない。

ちょっと前にプレゼントは何がいい?と聞くと

「んー悪いからいいよ」って彼女は電話で答えて、

毎回高価なものをねだって僕を困らせていたくせに、らしくないと

僕は冗談半分に言って、それは、寂しい気持ちを伝わらないようにした

精一杯の強がりで。

彼女が初めて買ってもらった指輪はまだ持ってるよ、って言っても

その感情を拭うことはできなかった。

彼女の細くて長い指には、もう指輪は無い。

「もう、おめでたくないよー。歳はとりたくないもんだね」

去年、同じように0時丁度に彼女にメールした時、すぐに返信が返ってきて

歳下の彼女がそんなことを言うもんだから僕はなんだか可笑しくて、

でも、同時にちょっと寂しくなった。

バースデーケーキも、プレゼントも、隣に居る人も無い誕生日はどんなんだい?

僕は彼女にそれらを贈ることは出来ないけれども、

せめて、彼女がまたこの1年を笑って、幸せに過ごせるように、

その願いだけを込めて。

ハッピーバースデーの文字を贈った。























「あたしの誕生日は明日だよ」ってメールが来なければ、

僕はもう少しカッコつけることが出来たんだけど。





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Last updated  2005.07.24 00:06:39


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