夢恋人
まだ見ぬ美しい女性に長いこと、恋心をよせ続けていた男がいた。その女性はいつしか行方がわからなくなる。消息がつかめなくなってから5年の後、彼女は女優としてTVに登場するようになる。画面でその女性は、優しい笑顔を振り撒いていた。あるイベントが、自宅からそうは遠くない所で開かれると聞き、彼は彼女に初めての対面を果たすべく会場に赴く目の前にいるのは......、彼は世にあらん限りの好意を笑みに湛えて言った。「やっと、逢えたね」すると、彼女は冷たく厳しい表情で言う「勝手な思い込みで、私を作らないでよ」彼は、言葉を失う。目の前が暗くなり、身の置き場がない。そしてとてつもなく哀しい気持ちになるのだった。すると、遠くの方から声が聞こえる。...夢だ。それは夢なんだ。 全部夢だった。だから、目を覚ますんだ...目を覚ました彼は、体を起こし、哀しい気持ちが残っているのは夢なんかではないのだと思う、再びどこに身を置いていいのか分からない気持ちに襲われる、そこで、現実の彼の目は覚める、時計をみると午前二時だ。携帯を探す。自分の夢は本当に消え去ったのか、それを確認したい気持ちが抑えられずに、しかし、それは辞めておこうと思った。そして、何度も足元を見た。自分の居所はどこなのかと......心の中は、遠い夏を思って目の前が遠くなる。そうだ、この気持ちも初めてではなんだ...彼は薬をとりに立った、どうしても夢の中に帰り、ただ、さよならと言ってほしかったので