東海ー法政 看板と戦略
【関東大学リーグ戦】 東海大学 25-17 法政大学 東海大がリーグ戦優勝を決めた一戦。 序盤、法政のショートサイド・ブレイクダウン周辺のディフェンスの整備が遅れているところを突いて東海がトライ。FW戦にこだわった序盤のゲーム運びはさすが。 東海はまだまだ余力があるというか、どの試合も個人の身体能力の差で勝負がついてしまいます。今後は切りどころの徹底や、フェーズが重なる中でディフェンダーの上体が起きてしまう癖など、勝負のキモの部分をチームとして明確にすることが求められると思います。 そのためにも、東海は「看板」を作る作業が必要です。全体で勝ててしまうことで、キワがぼやけてしまっています。「看板」を明確にすることでチームのプライドをそこに集中させる。どの部員に聞いても「コレ!」と、答えの返ってくる求心力を持ったプレーです。 また、看板を明確にすることで相手に対策を練ってもらうこともできます。結果、「裏」ができる。そうなれば、「看板」が戦略となり、この強さが物語のいいスパイスになっていくのではないでしょうか。 法政も、本当に素晴らしいタックルを持っています。 ウィングまでが好機とみると飛び出すシャローのディフェンス。この試合もセンター原島君が素晴らしいタックルをお見舞いしていました。画面の外から一気に出てきて、躊躇なく相手のみぞおちに突き刺さるタックルがありました。ここまでの今シーズンベストタックルでは?先程の話とリンクさせるなら、このタックルは間違いなく法政の文化であり「看板」です。 残念なのが、まだそれが「すごいタックル」の域で止まっていること。突き刺さった後、どうするのか。どこで誰が突き刺さるのか。そのためにはどこへどう追いつめるのか。この辺りを整理するべきです。 法政と戦うチームはこのディフェンスに対して、対策を練ってくるはずです。飛び出しにくいアタックとしては・ハーフからの近場のシェイプ・ショートサイド・テンポの速いリサイクル・小さくズラすアタック・2段アタックの内返しなどがあると思います。ただ、相手に「リアクション」をとらせた時点で勝負事しては一歩リードできているはず。鋭いタックルから物語をスタートさせて、それが戦略まで昇華させられるかがポイントになるのではないでしょうか。