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2010年03月18日
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カテゴリ:舞台
構成・演出・主演:野村萬斎による『マクベス』。
出演はほかに秋山菜津子----あの堂々とした姿は好きである、背も高いし-----と、
高田恵篤、福士恵二、小林桂太。
多くの役を3人が次々に換えて演ずる。
しかも上演時間ほぼ90分。
かなりコンパクトな「マクベス」
(役者の、舞台の、時間の、複数のエコノミーがはたらく)。

会場にはいると、すでにステージ上にドーム型のものがある。
これだけ見ると、ジンガロの『ルンタ』をおもいだす。

声----スピーカから立体的に----と光がおこり、
ドームのなかで萬斎が刀を振りかざすのが影としてみえる。
血らしきものをふりまきながら、やぶれがはいって、
このドームは地球をあらわしていることがわかってくる。

3人の魔女は当然男優が演じる。
それがいい。
しかもこの魔女たち、随所で笑うのである。
全篇、この笑いが、じつは悲劇でありつつ、
見方を変えると喜劇になってしまうということ、か。

打楽器的な音がしばしばひびく。
太鼓というのは、音楽になりそうでならない、なっていてちがう、
というものなので、より抽象的に舞台に聴覚的な効果をもたらす。
それ以外にはダルブッカなども。
2回か3回、バロック調の音型をピアノが奏でるところもある。
音響は、しかし、音楽にならずとも、
この『マクベス』全体に、かなりの意味=方向、あるいはきっかけを
与えるだろう。
忘れてはならないのは、モーターの音だ。
これが、一種、出現はしないけれども、デウス・エクス・マキーナ、
それも、「現在」のベルトコンベアを想起させる。
もはや神は登場しない。
むしろ、ぐるぐるまわるベルトコンベアにのせられて、
運命はめぐるのだ。
魔女たちの予言とは、単純に、プログラムの一部にすぎず、
あとは勝手にマクベスが自分ですすむばかり。

マクベスが果てた後、
ばらばらになったその身体を持ちあげてみる。
まわりはあかるくなり、小鳥が小さく鳴き、水のながれの音がする。
身体の部分を持ち上げると、花が咲いている。

全体にかなり様式性を感じてしまうのは、
人数の少なさと舞台=世界のありようのせいか。
この舞台からは「外」が想像しにくい、というか、
いや、たしかに「外」はあるのだけれど、
ごくごくふつうの「マクベス」のような、「外」につながっている感じがなく、
同心円的に、あるいは、トポロジー的になっていて、
遠心力がはたらかない、とでもいうか。
萬斎がやっているからではけっしてなく、
狂言をおもわせるのは、そういうところからだ。
それに、
冒頭と終りに「きれいはきたない、きたないはきれい」が反復されるせいもあろうか。
これは、しかし、わるい、ということでは全然ない。
観客は、この舞台=世界を「外」から眺める、神々のようなもの、となっている。
観客はひとりひとり、「マクベス」を、「マクベス」の世界を、
多分に客観的にみるだろう、
そして、そこにヒトの、欲の愚かさを、みるかもしれない。
あるいは-----愚かな神であるなら、みえないかもしれないが。

2010年3月18日(木)、世田谷パブリックシアター。





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Last updated  2010年03月20日 10時45分52秒
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