今週のミッシェル・ベロフによる公開レッスンは、ドビュッシーの「月の光」だった。前置きとして、エスプレッシーボは表情豊かにであって、決してゆっくりという意味で解釈してはいけないこと。アンダンテについても、もっと精密な解釈が必要であること。最初の9小節の長いフレーズは、一呼吸で速めに弾かなくてはいけない。13小節では、恋人を待ちわびているように、とても長く感じるように。
テンポ・ルバートの初めの音は、一瞬止まるように。和音はメロディーだけでなく、全ての音を響かせるように弾く。クレッシェンドの部分は駆り立てるように。アルペジオは、内声を意識して弾く。表情をつけ過ぎないこと。やりすぎていれば、それは曲の情感に引きずられている証拠。音楽はリアルな存在ではないから、弾く者の信念が大切。この助言は難しいが、何となく理解できる気もした。
ウン・ポコ・モッソからの7小節目のバスを響かせること。レガートを作り出すのは指であって、ペダルではない。アン・アニマントからは、左手の内声をよく響かせること。和音で下降する箇所は、弦楽器を意識しながら弾く。テンポ1は魔法のような響き。主和音からのCesの音は、夜、遠くから呼びかける声が、だんだん離れていって微かになっていくように表現する。
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Last updated
2006/05/18 09:05:29 AM
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