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きょうは、「劇団大和」の座長が名古屋に赴き、そのまま岐阜の下呂温泉での座長大会に出席した後、次の公演予定地である新潟へ向かうとのことだったので、昼に層雲峡から来るバスの降車停留所で待ち合わせ、市内の西武デパートのレストラン街にあるそば屋で昼食を共にした。夕方五時の飛行機で名古屋行きの便に乗るというので、見送りに行きたかったが、仕事の都合でそれは無理だった。
いつもは舞台の上で、メイクを施した女形の姿に慣れていたので、私生活での座長の横顔にも触れることができた。座長の初舞台は18歳の時で、25歳の時、自分の劇団を創設したと話してくれた。私が一番訊きたかったことは、層雲峡の温泉街での湯治客や宿泊客の前で芝居公演をするだけでなく、例えば市内にある公会堂などのような劇場で、一ヶ月という期間中、昼と夜の芝居披露を行うことは将来的に可能であるのか? もし、その様な機会が訪れるなら、私のような芝居好きの人間なら、毎日でも観に行くつもりであると訊ねてみた。
座長の答えはノーであった。今の現状では、観客の動員はそれ程期待できず、反対に維持費が掛かりすぎるというというのが理由であった。敢えて言えば、市内にある健康ランドなどが興行主になってくれれば、日帰り入浴客の数は見込めると話してくれた。その言葉に私は、大衆演劇という娯楽が、もっと身近な世界として歓迎される日が来ることを心待ちに期待した。