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New Zealand 虹の立つ国へ

New Zealand 虹の立つ国へ

■第9章 『オークランド』



第9章「オークランド」

仕事の関係でタウランガには、友人というか伝手(コンタクト先)があったが、オークランドは"雇ってくれるかもしれない会社"があるだけ。
知人・友人も無く、全く未知の街であった。
 
到着後、会社が予約を入れておいてくれたモテルにチェックイン。
Jet lag(時差ぼけ)と寝不足の体を休めてから、モテルの周りを散策。
回りの住宅街をみて、改めて我々日本人の"ウサギ小屋"を実感。 
大き過ぎず、小さすぎない家々が立ち並んでいる。

モテルから海まで歩いて1分。 
砂浜の正面の海には富士山を押しつぶしたような形をした島がデンと座っている。これが有名なRangitoto島という事はあとで判る。
正に我々にとっては夢のような場所であった。

季節は夏の盛り。
抜けるような青空と痛いほどの日差し。
澄んだ空気。
緑あふれる住宅街。
芝生は勿論の事、街路樹も庭木も程よく成熟・成長していて、建物と緑が素晴らしく調和し、落ち着いた雰囲気を醸しだしている。
そう、あの夏の日に夢見た生活がそこにはあった。

今でこそ、当たり前になってしまい感動も薄れてしまったっが、どこの住宅街の中にも大きなReserve(公園)があって、それが総て芝生張りなのである。
日本のように土の公園なんて全くないのである。
何処へ行っても総て芝生!!
当時はこれにも感動したものだった。


一方雇って貰える"かも"しれない会社へは、オフィスにも行き他の社員とも歓談。 
社長との再度面談の結果、今回の下見旅行で我々家族が移住に本格的に取り組んでいる姿勢を評価されたのであろう、私をShipping Managerとして採用していただく事になった。
またビザに関しても、いきなり永住権の申請は無理なので、とりあえず就労ビザを取ることで双方合意。 
勿論、ビザを取る為に会社側も全面的に協力して頂けると言う事になったのは言うまでもない。
こうなると今まで八方塞だった状況が打開され、局面が一挙に進む事になる。

手順としては、
1) まず私が単身で1年ほど滞在して、こちらの生活に馴染むの待つ。
2) その間日本で移住準備を進める。
3) 家族の移住準備が出来たら家族を呼び寄せ、最終的には永住権 

の取得を目指す3段階方式。

給料も日本と比べると大分落ちることになるが、生活するには困らないレベルを確保。 
これで何とか働き口を得る事が出来て一安心。



レンタカーを借りて、あちこち自分たちで走り回って様子を見たり、買い物に行ってスーパーマーケットの大きさに驚いたりとか、新鮮な驚きの連続であった。 
丁度夏の盛りで暑いこと暑い事!!
でも不思議と当時の暑さは今のオークランドにはない。
Kiwiに聞いても、一応に皆昔の方がずっと暑かったと言う。
これも世界的な異常気象のせいであろうか?


一番印象に残ったことが空の青さ。 空気の清浄さ。
そして夜空に輝く満天の星。
そして人・車の少なさ。
NZに来て夜空を見上げて初めて銀河を見た時は感動した。

また昼の日差しの強さは強烈で、20年近く住んだ今でも肌がチリチリするほどの日差しには驚かされる。
特に今住んでいるHawkes Bayはオークランドに比べると余計に日差しを強く感じる。

当時は週末に殆どの店が閉まってしまうし、一番の繁華街のQueen St.さえもが夕方5時以降は戒厳令下の町の様に人がいなくってしまい、ガランとしていた。
日本と同じようなつもりで、食糧を週末に買おうとしたら、店が全部閉まっていて大いに慌てた事もあった。

そして子供達が一番喜んだのがアイスクリーム。
当時はデイリーでアイスを頼むと、これでもか!というくらいの大盛りでくれた。
我々大人でも食べきれない位の盛りであった。
しかし、今は昔。
今のオークランドでは、昔のような大盛りのアイスを盛ってくれるデイリーには滅多に出会わなくなってしまった。


滞在4日目くらいにして、我々夫婦の間ではNZに決めようという気持ちはあったのだが、次の豪州も捨てがたく結論は先延ばしに。
会社側も事情を理解してくれて、返事は日本に帰ってからでOKとの事。

NZの滞在後半は、仕事の舞台となるタウランガを訪れた。
港、住宅街も見てここも非常に気に入った。
特にマウント側がすばらしく、本気でタウランガに住もうと思ったくらいであった。
この気持ちは20年経った今でも変わらない。
タウランガ(Mt.Manganui地域)は未だに私の憧れの場所である。
またKiwi達にとってもTauranga、特にマウント地域は同様なようだ。
Kiwi達が老後住みたいところのNo.1でもある。


タウウランガから、ロトルアにまわりここである日本人の一家と感動的なそして運命的な出会いを果たす。
この話は別の機会に章を譲るが、この家族とはその後今日に至るまで友人としてずっと付き合っている。




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