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ヒロガルセカイ。

ヒロガルセカイ。

8 ●15禁●

8.

「そう・・そこに欲しかったの」
震えているくせに。
目に涙も浮かべているくせに。
「くう・・」
時々眉間に苦痛の表情も浮かべるくせに。
来夢はすこしすつ・・腰を動かして、中に入っていけるように誘導します。
ぎこちない仕草で誘い始めたのも、章が緊張をほぐすように頬を撫でているせいでしょう。
片手で来夢の腰を浮かせて自分の腰をくねらせて。
熱に浮かされたようにうっすら涙浮かべる来夢を。欲しいと、強く思いました。

来夢の茂みがまだ薄くて自身がよく見えます。
それが来夢は気になるらしくて、手をのばして隠そうとします。
「・・見ないで、お願い・・」
「どうして?・・手をどかしてよ来夢・・。感じているんでしょう?」
「だって・・恥ずかしい。こんなになってるもん・・。いや・・章に見られたくない」
「・・手をどかしてくれないと・・集中できない」
「・・そんな。だって・・」
それでも自身から手を離そうとしません。
「感じているんでしょう?・・ならいいじゃない。もっと動きたいんだ・・隠していないで、
どうせなら俺の背中に爪をたてて・・?」
そっと・・来夢の手をさらって指をくちゅくちゅと舐めました。
来夢は電流が走ったように、どきん!と大きく揺れます。
「う・・!章、章・・やめて?そんなことしないで・・?熱くなっちゃう・・!」
じたばたと暴れるから互いの汗がのりのように・・余計に密着します。

「来夢・・」
章が低い声で一言呟くと。

ぐぐぐっと突き上げてきました。
「ん!ああ・・ああああ!」
大きく波打つ体を押さえつけて、二度三度と続けて突き上げます。
「んあああ!ああ!!・・ああああん!」
章の腰が動くたびに来夢の体は応えて泣き叫ぶような声をあげます。
「いや・・いたいっ!いたい・・!!章、助けて、痛い!いやああ・・ああん」
今更やめてもないでしょう。
章は痛がられても止められません。
もう・・火がついてしまいました。
ぎゅっぎゅっとねじ込んで、ぐいぐいかき回します。
腰の動く限りを試すように、どんどん早く細かく動かして、
誰も突いたことのない来夢の中を容赦なく突いて突いて、これでもかと攻め立てます。
はっはっはっと小刻みな荒い息。
「ううん・・ああ!あああん!あはあ!!」
章のなすがままに。欲望に体を乗っ取られて。
がくん、と膝を折っても。
章の動きは止まりません。
膝が邪魔なら倒すまで、と横にねじ伏せられて・・。
腿の内側までもすっかりあらわにされてしまいます。
流れる汗に混じって白いものも混じります。
こらえきれない章の我慢がじわじわと先から流れているのです。

何かが流れてる・・じわじわと中を這うように。
「しょ・・!!」
章がぐぐぐっと突き上げてきたときに中を突き破られたような激痛が走りました。
「かはっ!・・・ううううん!!」
来夢が絶叫しました。
背中に赤い血がにじむように爪をたてて胸を反りかえし。
「来夢!・・」
その痛みと達する快感で・・急に章の力が抜けました。
途端に来夢の腿につつ・・と精液が流れていきます。

「・・しょう・・?章、・・」
瞳から涙をこぼして、それでもまだ章を離せなくて。
鼻をぐすぐすならしながら、章の髪をくしゃくしゃと触っています。

「来夢・・ごめんね。痛かったね・・?」
鼻の頭が擦れあうような近さにある章が申し訳なさそうな顔をします。
「謝らないで。・・章、ねえ。・・抱きしめて?」
「うん・・」
言われるままにそっと抱きます。
「・・もっと。ねえ、もっと・・!」
「うん」
「もっと・・・」
ぎゅっと強く抱きしめるとお互いのどきどきする鼓動が伝わります。

静かな夜が続いています。
風の音だけがたよりの夜の時間。
すこしづつおさまる呼吸を見計らって来夢が章に聞きました。
「・・どうして青が嫌いなの・・?」
「どうしてそんなこと聞くの?」
「なんでも知りたいの・・だめ?」
「・・青は・・落ち着く色だから苦手なんだ。
自分を追い立ててくれるような激しい色を傍に置いて、常に何かを追い求めるように絵を書いてきたんだ。
ハングリー精神がなければいけないって。落ち着いてしまうと成長はありえないと思って・・」
「青は母性の色なんだよ・」
来夢が章の頬を撫でながら呟きます。
「精神の色・とも聞いたことがあったな」
「・・章の傍に激しい赤の色を置いてくれる?」
「クリムゾン・・この唇のこと?」
艶めく唇に触れます。
「指じゃいや・・」
言うが早いか。
互いに求め合って、唇を重ねました。
「はあ・・。・・章の好きな色でしょう?離さないで・・」
離そうとしても吸い付くようにまた求めてきます。
「らい・・」
指もからませて。
しっとりと汗をかいた体は冷えることを恐れるように求めてきます。
「寒い・・?窓を閉めようか。」
額の汗をぬぐってあげます、触るたびに体の奥がじわじわと熱くなります・・。
「絵が・・かけないね・・。このままじゃ・・」
「どうして?」
「キスされて驚く女性の顔が描ける・・?」
「・・わからない」
「今の来夢は・・求めてやまない顔だもん。まだ欲しいって顔。こんな顔見ていたら色を間違えそう・・」
章は微笑みます。
「この肌の色が目に焼きついて、色彩感覚が狂いそう・・」

ふたりを包んで揺らした夜の黒いカーテンにやがて白い空が覗いてきます。


9話へ続きます。


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