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2004年11月28日
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テーマ:戦争反対(1187)
カテゴリ:日本
今年の予算編成で防衛庁と財務省との間で壮絶な綱引きが行われています。これは何故かと言うと、防衛大綱を10年振りに改定し国防の基本方針を定め直す為で、これで今後10~20年くらいの基本方針が定まります。(5年毎に中期防衛計画で見直す)」財政の大幅な緊縮を図りたい財務省は防衛予算も例外ではないと詰寄り、防衛庁はミサイルディフェンス導入の為に只でさえ通常戦力用の予算が削られる上に全体の予算が減らされてはたまらないと真っ向勝負に出ています。

財務省はいきなり『陸上自衛隊4万人削減』とハイボール・テクニック?な要求をブチかまし、これに怒った防衛庁は逆に予算の増額と人員増を要求する始末。嘗て無いほど頑強に抵抗する防衛庁。本来ならもう新防衛大綱は決定していなければならないのですが、まだ話し合いは続いているようです。


注)ハイボール・テクニック・・・最初に大きめの要求をして、後に本来の要求を行い、相手にこちらが譲歩したと錯覚させる戦術。




シオン 「さつき、今回の貴方の配役は片山さつき主計官のようですよ」

さっちん 「江田五月の役よりマシかなぁ・・・」

シオン 「なんでも、片山主計官はミス東大→ミス大蔵省(財務省)の称号を得続けていて、仕事もバリバリこなすキャリアウーマンだとか」

さっちん 「うわぁ、それなら良いかも」


女性初の主計官になった片山さん (写真有り) [2004/07/03 YOMIURI大手小町]

予算編成の山場では連日、役所に泊まり込み、査定先の担当省庁と激しく渡り合う“男の職場”のイメージが強い財務省主計局。片山さつきさんは、その主計官に2日就任した。約5兆円の防衛予算を扱う防衛担当だ。

自衛隊が創設50周年を迎え、新防衛計画の大綱をつくる節目の年。「任務は非常に重いが、改革の大きなチャンス。無駄遣いを許さない納税者の視点を大切にしたい」


シオン 「・・・・・」

さっちん 「・・・・・」

シオン 「・・・さて、と。

ということなので私は防衛庁役という事で話を進めます。いいですね?」

さっちん(写真の件はスルーするんだ・・・)

シオン 「さつき、話を聞いているのですか? では始めますよ」


装備費削減めぐり過熱/攻める財務省、守る防衛庁 [2004/08/31 東奥新報]

▽主計官の決意

「曽祖父は旧陸軍の軍人で、日露戦争では騎兵。二十世紀初めに、もはや大砲や騎兵の時代ではないと言って、いち早く退役した。その子孫の私が、大砲は古いと言って縮減を迫っているのには因縁を感じます」。

財務省の防衛担当、片山さつき主計官は三十一日昼の主計官会議で、装備費削減に強い決意をのぞかせた。


シオン 「なにか変な話ですね。確かに当時、騎兵は廃れ行く兵科であり戦場での必要性は薄まっていました。しかし大砲は戦場の主役であり、今もそれは変わらない筈です。

もしかしてお爺さんは『もう騎兵の時代ではない』と言っただけではないのですか?」

さっちん 「大砲云々は、後から勝手に付け加えた話だとでも? 『もう戦争の時代じゃないから』という意味で大砲の時代じゃない、と受け取って欲しいなァ」

シオン 「仮にそうだとします。貴方のお爺さんが退役したのは日露戦争後だとすると1905年以降になりますが、それから10年も経ずして世界大戦が始まっている事は理解できていますか?

大砲の時代ではない? なにを馬鹿な。現実の世界はかくも厳しいのです」

さっちん 「でも、今の時代はハイテク兵器全盛だから、もう大砲でドンドン撃ち合う時代じゃないと思うんだけど・・・」

シオン 「わかりました、では203mm自走榴弾砲の代替にMLRS(多連装ロケットシステム)と、これに装填出きるATACMS(短距離弾道弾)を要求します。

155mm自走榴弾砲の代替にはHIMARS(MLRSの小型版)を」

さっちん 「ええ~?」

シオン 「大砲の時代ではないのでしょう? ではロケットとミサイルを。

・・・とはいえ精密射撃や持続射撃には大砲の方が向いているので、今後も大砲が戦場の花形であり主役であり続けるのは確かですから、安易に減らすべきではありませんよ」


▽理論武装

財務省は今春以降、軍事評論家や防衛産業幹部を招いて勉強会を重ね、個々の装備や人員の必要性を見極める「理論武装」を進めた。

主計局は、冷戦終結以降、世界各国で進む兵力や戦力の削減を示すデータを作成。極東地域のロシア軍が一九九〇年代以降、戦力規模を縮小したことや、英国、ドイツの防衛力見直しについてデータをそろえた。

幹部は「テロや弾道ミサイルなどの『新たな脅威』に対応するには組織、装備のスリム化と質的な向上が不可欠だ」と強調。百ページ以上の分厚い資料を用意し、防衛庁側を「論破」する構えだ。

これに対し防衛庁幹部は「欧州の兵力削減と日本を同列に扱う財務省は間違い。東アジアの戦略環境を何も分かっちゃいない」と反論する。


さっちん 「・・・というわけで、冷戦も終わった事だし削減したって良いと思うんだけど・・・」

シオン 「呆れた。欧州の状況と極東の状況はまるで違います。英仏独の兵力削減を日本に当て嵌める事は見当違いも甚だしい。

いいですか、欧州はソ連の脅威が去り、東欧諸国はロシアを見捨て西欧の味方となりました。この結果、冷戦時代は東西ドイツ国境が最前線だったのに対し、今はバルト三国・ポーランドとベラルーシの境目辺りが最前線となっています。前線が800km近く東へ移動したのです。

これはドイツにとって800kmもの戦略的縦深陣を確保したという事になります。冷戦時代にNATOの盾であったドイツは、ようやく自らの盾を手に入れました。彼らには平和の配当を受け取る権利がある。

それに対し極東はどうです? 冷戦が終わったけれど別に日本の盾になるような国が出来たわけではない。そして中国と北朝鮮は未だに健在であり、共産主義国は目の前に存在し続けている。

そして将来の火種である朝鮮半島問題と台湾海峡問題はなんら片付いていない―――そう、極東は世界有数の火薬庫であることを知るべきだ」

さっちん 「で、でもっ、ロシアの脅威が無くなったことは確かだし、北海道は1個師団でもいいんじゃ・・・」

シオン 「北方の脅威が減った事は事実です。その分、兵力を削減するという論議自体は良い。

しかしあの広い北海道を1個師団で守る? ロシア軍が攻めてこなくても、これでは暴動すら鎮圧できない。災害が起きても満足な支援活動はできないし、即応なんて無理。

そして北方の脅威が減っても、西方の脅威は増大しつつある」

さっちん 「西方重視にしても、中国や北朝鮮は往年のソ連軍ほど強くないし、冷戦型の装備は見直されるべきだと思うけど?」

シオン 「中国は経済発展を続けている上に成長率を上回る防衛予算の伸び率を記録している。

また、先日起きたばかりの中国海軍の原子力潜水艦による日本領海侵犯事件を見れば分かるように、中国人民解放軍の挑発行為は往年のソビエト連邦軍と何ら変わらない。これは東アジアに冷戦構造が残っている事をハッキリと示す証左だ、ならば自衛隊は冷戦に備えねばならない」

さっちん 「でも、軍隊のスリム化は世界の流れだし」

シオン 「スリム化=予算削減と思っているなら大きな勘違いだ。どの国も軍隊のRMA化(情報技術を中心とする軍事革命)には莫大な予算をつけている。

・・・さつき、貴方の主張は付け焼刃の理論武装です。調べた資料も財務省にとって都合の良いものだけで、日本周辺国の軍拡路線傾向などに触れられていない。

日本周辺国の全てが軍拡しているこの状況下で日本だけが軍縮をしたら、東アジアの軍事バランスが崩れかねないのですよ?」






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Last updated  2004年11月29日 04時49分10秒
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