ニホンミツバチの場合、蜜を収穫するのに遠心分離機などを使わないのが普通だと思う。アミや布に巣棒の蜜の蓋をとって入れておき、あとは気温が高い室内などでひたすら蜜が垂れてくるのを待つ。だから「蜜を搾る」という慣用句的表現はあてはまらないと思い、小生は採蜜という中途半端な表現をしている。
今年最低これだけは採蜜したいと思っていた2年蜜を先日ようやく採蜜し終えた。それぞれ採蜜の時期を半月ばかり前倒しで採蜜したので、昨年より1群あたり500ミリリットルくらいは少ない感じだが、これはいたしかたない。あとは状況に応じて、この春、分蜂した群にかかればいいが、これは無理に採蜜する必要はない。一番最後に採蜜した1群はハナミズキ樹下の1群で、水曜日の朝5時から6時までですべての作業を終えた。その日と翌日は静かだったが、金曜日午後に逃亡を企てた。採蜜から3日目で、これは前のアジサイ横の1群のときもそうだった。この頃は心を鬼にして4日間はハチマイッターをつけることにしている。門番ができ、花粉を運び始めたら外して、その後に逃げられたらしょうがないと思うことにした。居たくないところに引き止めても不良化するだけだと思い始めたからだ。このハナミズキ樹下の1群も当日覗いたところ箱の中で蜂玉をつくらず周囲の壁に散らばっているので、逃亡を企てると思ったが、案の定、昨日の昼過ぎ2度ほど逃亡しかけたと家内の報告である。幸いこの群はとりあえず巣に戻った。4日目の今日は昨夜から雨降りなので、逃亡日としてはあまりふさわしくないので、蜂たちも考えてくれるだろう、と、楽観的な観察をしている。
そりゃぁ2年がかりで集めた越冬用の蜜をみな持っていかれたら、小生が蜂でも怒る、というかやる気がなくなる。ましてや自分たちの住み慣れた箱から誰が住んだかわからない古家を当てがわれたのでは自暴自棄になるのはしょうがないと思うのである。できれば逃亡した群が、居心地の良い自然樹の洞を見つけ、なんとか越冬するだけの蜜を集めて来春まで生き延びてくれることを祈るのみである。また、気が変わって、あてがった古家に居着いてくれる気になったら、少し早めに給餌してやろうと思っている飼い主である。
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