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2024.02.20
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カテゴリ:東北


朝日や読売の全国版紙面は、黒石寺蘇民祭が行われたことを写真付きで報道していた。淡々とだが、2008年のポスター騒動にも言及していた。

かなり紙面を割いたのが毎日新聞で、大要はこんな感じ。
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●「岩手の奇祭」1000年の歴史/担い手不足 蘇民祭に幕
関係者の高齢化と担い手不足のため今年が最後の開催。日本三大奇祭の一つとも称される。2008年に胸毛男性のポスターがJR東に掲載拒否されて話題になった。モデルとなった花巻市の会社員佐藤真治さん(53)は責任を感じ今回を含めて祭りへの参加を控えてきた。来年以降、祭はなくなるが旧正月の護摩祈祷などは続けるという。
●伝統行事の中止 全国で
歴史ある伝統行事が担い手不足で中止される例は全国で相次ぐ。
・和歌山県有田川町の「久野原の御田(おんだ)」。
・秋田の「男鹿のナマハゲ」も実施集落が減少した。女性参加の議論が浮上した時期もあるが伝統が理想とされ実現していない。
・筑後市熊野神社の火祭り「鬼の修正会(しゅじょうえ)」は、大たいまつを30人ずつで3本支える人が足りない。地元で宿泊費負担で参加者を集め2本を引き回せた。
民間シンクタンク(祭り・イベント総合研究所)23年夏アンケートでは、課題は資金難、準備スタッフ不足、当日スタッフ不足など。体力的に大変、高齢化した主催側と若者の共存図れない、などの回答も。武田俊輔教授(法政大)は、変化をどこまで許容するか。やり方や中止に至る過程などを記録して、将来世代が復活について判断する余地を残すのが望ましい、と指摘する。
●東北冬点描 奇祭の終幕 惜しむ/岩手・蘇民祭「楽しみなくなる」
最盛期には見物客を含めて4000人が訪れた奇祭の終幕を惜しむ声。蘇民祭争奪戦で最後まで袋を握っていた「取主」は、保存協力会青年部長の菊地敏明さん(49)だった。毎年写真を撮りに来ている栗原市の佐藤健さん(74)は、長く続けてほしかったと惜しむ。倉成奥州市長は、少子高齢化は時代の流れで地元の判断を尊重したい、と関係者をねぎらった。
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伝統行事と担い手の問題がまずは中核だろう。これだけでも難しい問題だが、観光や地域おこしの視点が混じってくると一層難しくなる場合がある。2008年の胸毛ポスター問題のときも、地元の意見は、真剣な伝統行事を進めているだけなのに外野が何をいうのかという思いだったと思う。もとは全裸男性の争奪戦だったが、奇祭と伝えられて奇異の目で見られたことも。担い手確保の視点から女性の参加も検討されことがあるという。

河北新報は、他の事例を紹介して、イベントとして開放された形での継続を示唆するかのような論調だった。それも一法だが、そもそも伝統行事とは、信仰や地域生活に密着した催事であることを基本に考えなければならないと思う。その上で、地域の維持や交流人口拡大の視点から、継続を議論されることはもちろん良いことなのだろうが、じつは地域の催事全般に言える難問なのだ。毎日新聞全国版の記事はその点を指摘している。

■関連する過去の記事(黒石寺蘇民祭)
 黒石寺蘇民祭を考える(2024年02月18日)
 奥州市の蘇民祭ポスター掲載拒否を考える(08年1月10日)

■関連する過去の記事(地域と感染症など
 仙台藩の飢饉と金勝寺、徳泉寺、願行寺(2023年09月08日)
 感染症と人類の歴史(2023年08月15日)
 水の森公園の叢塚と供養塔(2023年08月03日)
 仙台とコレラ流行の歴史(2022年9月19日)
 芋峠(2021年8月9日)
 芋峠(仙台市)と感染症(2020年11月28日)
 鈴木重雄と唐桑町(2016年6月19日)
 宮城の民間医療伝承(2011年9月4日)
 明治のコレラ大流行と仙台市立榴岡病院(10年9月3日)

■関連する過去の記事(疫病や感染症に関する民俗
 世界に誇る東北の郷土芸能(西馬音内盆踊り、鬼剣舞など)(2022年12月14日)
 疫病と向き合う東北の民俗伝承(2022年6月8日)
 民俗信仰と東北(2022年6月4日)=黒石寺蘇民祭など
 鬼剣舞と念仏踊りを考える(2022年6月2日)
 魔よけと東北を考える(08年2月10日)

■関連する過去の記事(奇祭など。ほかにも過去記事ありそうですが)
 ついに見た!米川の水かぶり(2023年02月09日)
 中新田火伏せの虎舞(2013年4月29日)
 ハンコタンナと覆面風俗(2015年2月1日)
 塩竈の「ざっとな」(2011年2月27日)
 奇祭 鶴岡化けもの祭(2011年1月3日)
 
民俗信仰と東北(2022年6月4日)(弘前市鬼沢)
 
岩木山信仰とモヤ山(2022年5月30日)

■関連する過去の記事(来訪神などに関するもの)
 
西馬音内の盆踊り(2012年8月5日)
 
ナマハゲやスネカの起源と神(鬼)の両義性(2022年5月29日)
 
秋田美人を考える(再)(2022年5月11日)
 
日本三大美人と秋田(2016年1月31日)
 
小野小町(2011年7月23日)
 
秘密結社とナマハゲ(2011年6月4日)
 
海の民、山の民(2010年12月25日)
 
秋田美人を考える(2010年12月23日)
 
秋田ナマハゲは秘密結社か 再論(2010年5月20日)
 
なまはげと東北人の記憶を考える(10年4月27日)
 
秋田なまはげは秘密結社か(07年8月13日)





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最終更新日  2024.02.20 07:45:22
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