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カテゴリ:読んだ本
このところ百田尚樹氏の本を図書館で借りる頻度が高い。
ラストに向かって盛り上がっていく時のハラハラする展開とか こうなるかな~と思わせてのどんでん返しとかも楽しいけど 読後のスッキリ感がすごく好きかな。 (読後感といえば 先日読んだ「ミスティック・リバー」の読後のモヤモヤ感はすごかった…) 今回読んだのは「モンスター」。 モンスター [ 百田尚樹 ] そのあまりにも特徴的で醜い容姿が故に人生を諦めていた主人公は 二重まぶた手術をきっかけに整形に目覚める。 やがて大掛かりな整形手術をするために風俗で荒稼ぎするようになった彼女は 長い時をへてとうとう完璧な美貌と莫大な資金を手に入れる。 だが大きな手術を何度も繰り返し、長年風俗で酷使してきた体は内側から蝕まれ、 体力的に風俗の仕事を続ける事はできなくなっていた。 体を壊した彼女は、風俗を引退して結婚もしてみたが、 相手の浮気により離婚。 そんな折、当時は告白もできなかった幼い頃の想い人と、 老いて美しさが失われる前に再び巡り会いたい…、 という想いに突き動かされた彼女は 新しくオープンしたレストランのオーナーとして故郷に舞い戻ってくる─── すでに映画化されてる作品。(映画はまだ見てない) 誰もが惹きつけられる美貌を手に入れ まったくの別人になりきった主人公が 昔自分を苛めた相手に、 その美貌と、人を篭絡する手練手管を最大限に利用し 次々復讐していく様子は壮絶かつ圧巻です。 でも復讐が成功してもなんでか悲しい。 今自分の周りに集まってくる人間は、 彼女の美しい顔と「絶世の美女」というステータスに惹かれているのであって 彼女の中身など見てはいないから。 常に計算高く冷徹な彼女だったが 昔の憧れの人にめぐり合い恋に落ちる。 (彼は既婚者) まるで少女のようにときめき、動揺し、身を焦がし、落ちてゆく… まさにこのためだけに38年間生きてきたと言えるほど激しい、一世一代の恋。 しかし、今の完成された美貌の自分ではなく 元の醜い自分をも愛してほしいという どうしようもない欲求が持ち上がってきて─── 決してハッピーエンドではない結末でしたが 読後感がやたら爽やかだったのはなんででしょうね。 なんかちょっとうるっときた。 ある意味、美しさを追求し続けた彼女にとってはハッピーエンドだったのかもしれない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016.08.30 18:59:46
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