フランク永井『1976年 リサイタル 輝ける21年の足跡』/1976年11月中野サンプラザ
フランク永井さんのデビュー21年目に開催されたリサイタルのライブ盤。1976年11月3日 中野サンプラザCD化されたのでリマスターされ良い音で聴けます。セットリストも凄いボリューム感のある内容です。残念な点はオリジナル曲をフルコーラス歌わない曲がある事ぐらいで、原信夫とシャープス&フラッツの演奏が本当に素晴らしい!DISC 11曲目「君恋し」2曲目「夜霧に消えたチャコ」3曲目「夜霧の第二国道」4曲目「有楽町で逢いましょう」5曲目「霧子のタンゴ」6曲目「俺は淋しいんだ」7曲目「東京午前三時」8曲目 メドレー 「恋人よ我に帰れ〜バラの刺青〜16トン〜西銀座駅前〜東京カチート〜東京ナイトクラブ 〜好き好き好き〜パリの空の下〜ある愛の詩〜愛あればこそ〜花と蝶〜蝶々〜春一番〜 ビューティフル・サンデー〜シクラメンのかほり〜イエスタディ〜夜も昼も〜そっとおやすみ〜 モーツァルトの子守唄〜赤ちゃんは王様だ〜おさななじみ〜世界は二人のために〜二人でお酒を 〜Everybody Loves Somebody〜恋人よ我に帰れ(Lover, Come Back To Me)」9曲目「浮気川」10曲目「妻を恋うる唄」DISC 21曲目「大阪ぐらし」2曲目 大阪メドレー 「大阪野郎〜船場ごころ〜大阪流し〜大阪ろまん〜加茂川ブルース」3曲目「こいさんのラブ・コール」4曲目「ふるさとの風」5曲目「恋夜」6曲目「きっときっときっと」7曲目「中山晋平メドレー 船頭小唄、ゴンドラの唄、さすらいの唄」8曲目「Where The Blue Of The Night Meet The Gold Of The Day」9曲目「As Time Goes Bye」10曲目「枯葉」11曲目「All Of Me」12曲目「季節はずれの風鈴」13曲目「そっとしといてあげるから」14曲目「霧子のタンゴ パートII」15曲目「おまえに」フランク永井さんは1955年10月に1928年にアメリカで発表された「Lover, Come Back To Me」に邦題を付け「恋人よ我に帰れ」でデビュー。このリサイタルでもメドレーの頭と最後にこの曲を歌っていますが、ジャズを得意とするビッグバンドの素晴らしい演奏で聴く「Lover, Come Back To Me」は最高です!Disc1の8曲目のメドレーは23分近い壮大なメドレー。デビュー当時の「恋人よ我に帰れ(Lover, Come Back To Me)〜バラの刺青〜16トン」の洋楽JAZZカヴァーから往年のヒットオリジナル曲、1976年当時ヒットしてた曲も織り交ぜています。中でも宝塚歌劇「ベルサイユのばら」の主題歌「愛あればこそ」をフランク永井さんが歌っているのは圧巻です。歌の前に少し笑いを取る感じでアンドレ風のセリフを入れています。メドレー終盤「Everybody Loves Somebody」はフルで聴きたいと思ってしまうほどの素晴らしさ。「東京カチート」はメドレーじゃなく普通に聴きたかった。フランク永井さんは「東京午前三時」「有楽町で逢いましょう」「東京ナイトクラブ」「東京カチート」「東京無情」などのヒットのイメージで東京のオシャレな夜に似合うように思いがちですが、意外と大阪を歌った曲はほとんどがヒットしています。1958年の「こいさんのラブ・コール」を筆頭に1960年「大阪野郎」から「大阪ぐらし」「大阪ろまん」「船場ごころ」「堂島」「大阪流し」「大阪ジェニー」「こいさん物語」などヒット曲が多い。その大阪の曲を集めたコーナーも圧巻です。その中なら「大阪ろまん」がダントツに好きな曲。Disc2の1曲目、2曲目が大阪の曲です。3曲目「ふるさとの風」は「俺は淋しいんだ」のB面曲です!B面も人気曲になりリクエストが多い曲になったそうです。この日もファンの要望に応えてセットリストに入れたそうです。野坂昭如さん作詞の少しコミカルな「きっときっときっと」は「ラストダンスは私に」を彷彿させる軽快なラテンナンバーです。アルバムにのみ収録されてた曲でライブヴァージョンは貴重です。この日のリサイタルで確実にハイライトと言えるのは、ビング・クロスビーがカヴァーした事で大ヒットした8曲目「Where The Blue Of The Night (Meet The Gold Of The Day)」です。この曲、多くの人が歌ってるのを聴いたけど、ビング・クロスビーと並ぶほど良いと思ったのはこのフランク永井さんの歌唱です。原信夫とシャープス&フラッツの演奏も最高にカッコいい!「枯葉」はウッドベースの演奏のみでフランク永井さんが歌い始めるJAZZアレンジ最高です。この曲もビッグバンドの演奏も最高!フランク永井さんの歌うJAZZはハズレなしのカッコ良さです。続いての「All Of Me」も文句なしのカッコ良さ!あのフランク・シナトラが「日本で一番上手い歌手」と名指ししたほどです。「フランク永井」の「フランク」は「フランク・シナトラ」からです。その「フランク・シナトラ」に日本で一番上手い歌手と言われたらこれ以上の喜びはなかったのじゃないかと思う。フランク永井さんは歌謡曲も最高ですが、英語で歌うJAZZが驚くほどカッコいい!「霧子のタンゴ」は吉田正さん作詞・作曲、そして編曲も担当した「霧子のタンゴ パートII」は1962年に発売されたこの曲もそうですが、フランク永井さんの曲は自分もまだ生まれてなかった頃の日本のオシャレな部分や夜の世界を感じさせてくれる。