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2007.02.04
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カテゴリ:アメリカ映画

  ラブラブな両親によって放任主義で育てられ、孤独な少女時代を過ごしたエミリー。大人となった彼女は、自分は子どもにすべての愛情を注ぐと決意する。そして自ら望んでシングルマザーとなり、待ち望んだ我が子ポールを誰の干渉も受けることなく自分一人で大切に育てていく。外部との接触を断ち、ポールとの2人だけの世界を守ることに専念するエミリー。しかし6歳になったポールは、次第に友だちや学校など外の世界に強く惹かれていくのだった…。



 
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  お友達のベティさんのブログで紹介されていた作品です。
大好きなマリサ・トメイが出演しているということで、さっそくレンタルしてみましたが、驚くほど深くてぐいぐい引き込まれてしまいました。

偶然読み終えたばかりの「平気でうそをつく人たち」という本の内容に重なるところが多くて、母親エミリーの気持ちがリアルに感じられたような気がします。

息子を社会から隔離して育てようとするエミリーは、見るからに普通ではありません。
子どもの頃放任によって受けた心の傷が、彼女の精神を蝕んだことは間違いありません。
受けられなかった愛を与えたい――そう思うがあまり、シングルマザーになり、社会に煩わされない二人だけの純粋な世界だけで、最愛の息子とふたり生きる道を選ぶのですが・・・


バイバイ、ママ     バイバイ、ママ

エミリーのラブラブな両親(ケヴィンとマリサ)      冒頭から伏線で繋がるシーン エミリーとポール



彼女が目指した理想郷は、たしかに美しく純粋です。
こどもを深く愛し、御伽噺や伝説を語り、夢や独創性のある特別な子どもに育てることだけが、彼女の生きる喜び。
だけど、彼女がしていることはすごく倒錯しています。
父親のいらない妊娠をするために、両親が遺した遺産で優秀な遺伝子を求めて旅を続け、手当たりしだいの男性と関係をもち、結果妊娠。その過程でどこまでも汚れていくエミリー。
その彼女が、いくら美しい理想郷を作ったとしても、その汚れからは逃れられないし、精神の暗黒面が見え隠れしてしまう。
そしてポールはやがて6歳に成長し、彼が外の世界を求めもがいた時、初めて、彼女が望む世界はガタガタと音を立てて崩れていってしまうのです。

学校へいくことも、公園で遊ぶことも、友達をつくることも許されなかったポールが、成長の過程で母親を憎んで親離れしていくのは当然のことなのに・・・
深く愛されたことのないエミリーは、不器用に愛することしかできず、遂には極限の愛を、自らの母親がそうしたように、ポールに捧げてしまいます。
自分の命を・・・
悲しいですね。


最後に成長したポールが、母を温かい気持ちで思い出しているシーンが良かったです。
壊れた愛し方だったけど、エミリーは自分の心の傷に耐えて、命をかけて息子を深く深く愛したから、ポールは純粋な優しい少年に育つことができたのでしょう。
愛せない親が多い世の中、愛しすぎるほうがまだいいのかもかも知れない。
エミリーの溺愛は社会からはみ出したものだったけれど、あれほどの過去の痛みから強く立ち上がって、子を宿し愛することができた母親を見ていたら、すごく身につまされるものがありました。



ケヴィン・ベーコンはこちらが初の監督作。
そしてその妻・キラ・セジウィックがエミリーを熱演しています。
ポール役のドミニク君、少女時代のエミリーを演じたベーコン夫妻の娘・ソシーも好演。
いつもは苦手なサンドラ・ブロックも、幼いエミリーの心の拠り所となる、怪しげな隣人役をステキに演じていました。
ほかに長男やペットの犬も出演していたりして、ベーコン一家が作り上げたといっても過言ではない本作です。
でも、初監督とはいえ、短尺ながらよくできていました。
ただただ暗くはならず、ユーモアも交え、回想シーンを見事に活かしています。
未読ですが原作「LOVERBOY」自体のよさと、脚本のよさも合わさって出来た良作でもあるのかもしれませんね。



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監督  ケヴィン・ベーコン
製作  ケヴィン・ベーコン 、ダニエル・ビゲル
     マイケル・メイラー 、キラ・セジウィック
原作  ヴィクトリア・リデル
脚本  ハンナ・シェイクスピア
撮影  ナンシー・シュライバー
音楽  マイケル・ベーコン
出演  キラ・セジウィック 、ドミニク・スコット・ケイ
     ケヴィン・ベーコン 、ブレア・ブラウン
     キャンベル・スコット 、マリサ・トメイ
     サンドラ・ブロック 、ソシー・ベーコン


   (カラー/86分)








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Last updated  2007.08.29 11:42:44
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