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テーマ:■ムービー所感■(484)
カテゴリ:アメリカ映画
第一次大戦末期、トメニア(ドイツ)のユダヤ人兵チャーリーは飛行機事故に合い記憶を失い入院。その間、独裁者アデノイド・ヒンケル(チャップリン二役)は、トメニアのユダヤ人掃討を開始する。数年後脱走退院してきたチャーリーは、ユダヤ人街で元の床屋の職に戻るが、知らぬ間に迫害される身となっていたのだった・・・。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ チャップリン初めてのトーキー作品です。 若い頃の短編を幾編か観た後でこの作品を観ることができて、ベストタイミングだったように思います。 チャップリンが初めて声を発して人々に語りかけたのは、今まで無言の中で伝え続けてきたことでした。 人間らしくあること、そして世界平和をいっぱいに感じる素晴らしい映画。 最後は涙が止まりませんでした。 チャップリンという人のスタンスが胸に迫ってくるようで。。 戦争で記憶をなくしたユダヤ人理髪師チャーリーと、独裁者ヒンケルを、チャップリンがひとり二役で演じています。 戦場での貸しがある将校シュルツ(レジナルド・ガーディナー)のおかげで、収容所いきを免れるチャーリーと、その友人たち。 しかし、ヒンケルの独断命令で側近の彼が失脚させられたことにより事態は一転。突撃隊に襲われるのです。 友人らは田舎へ逃げ、チャーリとシュルツは強制収容所へ。 孤独なヒンケルはますます非情な独裁者となります。 後半、脱走に成功したふたりは、盗んだ軍服を着て逃亡しますが、総統にそっくりなチャーリーを、国境の進駐軍はヒンケルと勘違い。 進軍に加えられてしまうのです―― 一介のユダヤ人であるチャーリーが、大勢の民衆を前に決死の演説を振るシーンに涙。 総統のフリをして、平和や自由や人間らしくあることを訴える姿と、映画人チャップリンの存在が重なりました。 いままでの体を使ってみせてきた作品とはちょっと違います。 もちろん可笑しく笑えるシーンもありますが、ヒトラーの物真似による皮肉や、総統の孤独、ナチスへの批判を2時間強たっぷり充実して描きます。 喜劇の裏の悲劇が込められたこれまでの無言劇から、チャップリンの肉声が大声で語りかけるトーキーへ。 この作品がひとつの着地点のように感じられて・・・この映画を作るために、今までの作品があったんじゃないかとさえ思えて、感慨深さでいっぱいになりました。 製作・監督・脚本 チャールズ・チャップリン 撮影 カール・ストラス 、ロリー・トザロー 音楽 メレディス・ウィルソン 出演 チャールズ・チャップリン 、ジャック・オーキー ポーレット・ゴダード 、チェスター・コンクリン (モノクロ/126分) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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