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カテゴリ:イラン映画
カナダに亡命したアフガニスタン人ジャーナリスト・ナファス。彼女は母国アフガニスタンに残してきた妹から、自殺を仄めかす手紙を受けとる。 姉はなんとしてでも妹を助け出したい一心で、タリバン政権下のカンダハール目指して決死の覚悟でアフガニスタン潜入を図るのだった・・・。 「20世紀最後の皆既日食が見られる日、私は自殺します」 妹からの悲痛な手紙を受け取ったナファスは、妹を助けるため、カナダから戦闘の続くアフガニスタン‘カンダハール’へと向かうのでした。 親族を伴わない、女性の一人旅など許されない、命がけの数日が始まります。 チャドルに身を包んだ女性たちには、いかなる権利も許されていません。医者にさえ素顔を見せることはない、アフガニスタンの女性たち。 カナダでジャーナリストとなった主人公は、テープレコーダーに妹へのメッセージを録音しながら、旅を続けます。 故郷へ戻ってなにを思うのか―――ラストの台詞が最後に重くのしかかります。 ガイドを頼んだ少年はリベート目的で、砂漠の骸骨から奪った指輪さえ売りつけようと必死。親戚を装ってくれた親切な一家も、盗賊に合えばおしまい。とうてい簡単にはいきません。 カンダハールへ行くと言えば、誰もが止める。そんな過酷な状況下で、けして諦めないナファスでしたが・・・・。 ナファスを演じているのは、実際にアフガニスタンからカナダに亡命したという、ニルファー・パズィラ。ジャーナリストです。 友人から同様の手紙を受け取った彼女が、マフマルバフ監督に自らの旅を撮影してほしいと頼んだのが始まりだったそう。 ドキュメンタリーにドラマを乗せたものは、イラン映画に多いといいます。 地雷で足を失った沢山の人々、国の悲惨な状況が、幻想的に鮮やかな色彩で映し出されます。 祖国から逃げ出し、亡命できる人は幸せなのでしょう。彼女も幸せだった。 けれど、足を失い、アフガニスタンに残ることになった妹を救いたいと願った時、彼女の命は確実に短くなったのを感じました。 きっと救われることはない――― 多くのイラン映画で感じる救いのなさを味わうばかり。 表面は、チャドルに身を包んだ女性の解放を願った作品のよう。押し付けることなく、背景にあるアフガンの現状を、うまく伝えていました。 戦時下に撮られた本作は、きっと色んな意味での呼びかけだったのでしょう。 手紙を映画の題材としたのはよしとして、あまりにも突然終わったのが、ちょっと残念。 製作・監督・脚本 モフセン・マフマルバフ 撮影 エブライム・ガフォリ 出演 ニルファー・パズィラ 、ハッサン・タンタイ 、サドユー・ティモリー (カラー/85分/SAFAR E GHANDEHAR/イラン・フランス合作) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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