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カテゴリ:多国合作映画
テレビ局の人気キャスター、ジョルジュ(オートゥイユ)は美しい妻アン(ビノシュ)と一人息子のピエロと幸せな日々を送っていた。ある日、彼のもとに、送り主不明のビデオテープが届くようになる。家の外観から徐々にエスカレートしていく映像に、恐怖と不安から、家族間に亀裂が生じていく。果たして犯人は誰なのか―――。 特典映像を観ると、監督自身の言葉で「犯人や真相は問題ではない」という。 それなら曖昧なまま、感じたものだけで、楽しいか否かも判断して間違いはないのでしょう。 疑問は残るけれど、静寂のドラマは、真実を求めて最後まで観客を引っ張っていく。 渇いてしまった家族の愛、現代人の孤独、忘れていた過去の罪・・・ どれも多少は思い当たる節があるし、会話などとても身近でした。 間違ったことをいわない妻と、曖昧な夫。一人息子の気持ちは、すでに掴めなくなっている。 中盤、犯人に思い当たって、過去の記憶を呼び覚ましていくジョルジュ。 少年時代、田舎の家で働いていたアルジェリア人一家・マジッドのことを、思い出すのです。 少年時代に起きた悲劇も、罪も、本当のことはなにもわからない。 本人の記憶さえ曖昧なのだから。都合の悪いことは忘れてしまうのが人間で、覚えているのは被害者ばかり。 果たして過去の復讐か、マジッドの話すとおり彼は無関係なのか、サプライズが隠されているというラストをどう考えるか。幾通りもの筋書きが浮かぶ作品でした。 主人公の部屋を埋め尽くさんばかりの、本やビデオの山が印象的。 情報に埋もれたようにみえる家族は、現代人を象徴しているのかもしれません。 キッチンにまでたくさんの本が置かれていましたね~ 物語の真相はわかりません。でもそれでいい。 衝撃の鮮度を大事にしたい、良作でした。 監督・脚本 ミヒャエル・ハネケ 製作 ファイト・ハイドゥシュカ 撮影 クリスチャン・ベルジェ 出演 ダニエル・オートゥイユ ジュリエット・ビノシュ モーリス・ベニシュー アニー・ジラルド ベルナール・ル・コク ワリッド・アフキ レスター・マクドンスキ (カラー/フランス=オーストリア=ドイツ=イタリア合作/119分/CACHE) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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