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行きかふ人も又

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2008.12.14
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カテゴリ:映画
the-illusionist-20060705003910845.jpg
”チェコ” ”幻影師”
 この二語だけで漠然と期待してしまうが、なんのことはない、舞台はウィーンでもれっきとしたアメリカ映画なのだった。
新人監督とは思えないクオリティーで贈るミステリアスな物語は、ラストのドンデン返しで完全に騙されてしまう巧妙な出来。しかし、いかんせん、アイゼンハイムの摩訶不思議な奇術がすべてCGで映像化されるという残念さがつきまとう。
 
(あらすじ) 19世紀末、ウィーン。イリュージョンが隆盛を誇る中、幻影師アイゼンハイム(ノートン)は絶大な人気を誇っていた。ある日、評判を聞きつけた皇太子レオポルド(シーウェル)が観覧に訪れ、アイゼンハイムは皇太子の婚約者を舞台上に招くが、なんと彼女は幼なじみのソフィ(ビール)で、2人はかつて互いに愛し合いながらも身分の差で引き離された仲だった。一度は諦めた初恋の女性を巡って、一人の天才幻影師が自らの奇術を駆使して時の皇太子に果敢に立ち向かう姿を、妖しく描き出す―。

 
皇太子は悪い男で、隣国の公爵令嬢ソフィを娶り、父を退位させ国王の座に就こうと企てている。アイゼンハイムは、そんな人でなしの皇太子から、ソフィを取り戻すべく、天才的な奇術の技で権力に立ち向かい、ソフィもまた、運命に身を任せるだけの生き方をやめて、彼と共に生きることを誓う。しかし、皇太子の魔の手は二人に迫っていた....。

すべてに種がある、魅惑の舞台だからこそ、CGを使わずに映像化することはできなかったのだろうか。
いかにも嘘っぽいCGがすべてを台無しにして、子供騙しの感が否めないのは残念すぎた。19世紀末のヨーロッパを見事に再現した手腕は見事なだけに、幻影を描いて幻影にぶち壊されてしまう皮肉をおもう。
ラストの受け止め方さえ左右してしまう。

主演のエドワード・ノートンとポール・ジアマッティの雰囲気はとてもいい。



監督・脚本  ニール・バーガー
原作  スティーヴン・ミルハウザー 『幻影師、アイゼンハイム』
音楽  フィリップ・グラス
出演  エドワード・ノートン  ポール・ジアマッティ  ジェシカ・ビール
ルーファス・シーウェル  エドワード・マーサン

(カラー/109分/アメリカ=チェコ合作)





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Last updated  2014.07.14 10:54:07
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