2158458 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

行きかふ人も又

行きかふ人も又

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Freepage List

Free Space

ゆるい分室はじめました
dekunotato.exblog.jp

Archives

2024.04
2024.03
2024.02
2024.01
2023.12
2023.11
2023.10
2023.09
2023.08
2023.07

Category

Calendar

Comments

森須もりん@ Re:【夜行列車(POCIAG)】 1959年 ポーランド映画(03/10) 小学生のときに、テレビでみました。 あれ…
ETCマンツーマン英会話@ 希望を生むもの はじめまして。先日初めて『アラバマ物語…

Favorite Blog

Kabu + Plus エースNo1さん
ある日どこかで リラ11さん
ベティ333のブログ ベティ333さん
でくの坊 雨にも … なんぜんたろうさん
My 映画 on TV 日記 タケ88フミさん
2010.11.24
XML
カテゴリ:イタリア映画

 この11月、札幌大通りに新しくTSUTAYAがオープンした。日本最大規模に匹敵するタイトル数、北海道最大の品揃えだというから、喜び勇んで足を運んでいる。
これまでオンラインに頼りきっていたラインナップがずらり!! 
DISCASで2枚ずつレンタルしてきた作品が、ここにはいっぱい並んでいるのだ。 
初めて足を運んだ日は、1時間も店内を眺めてしまったよ。
2度目にようやく、なんでもあるわけじゃないのがわかってきたけど、それでもすごいラインナップ。
なんといってもうれしかったのは『ピンク・フラミンゴ』か(笑)
いま、レンタルしているのは、グリフィスの『國民の創生』(これもオンラインにない)、ヤコペッティの『世界残酷物語』、セシル・B・デミル『チート』、などなど。


まずは『世界残酷物語』の感想からいってみよう。
こちらは、なんと「死ぬまでに観たい映画1001本」に選ばれている作品。
世界各国40ほどのエピソードを捉えた記録映像で、ヤラセ?という見方もあるけれど、どちらにせよ、未開と文明を並べて人間の蛮性を描いた問題作だ。

このての映画はモンド映画といって、しばらく流行したらしい。本作はその先駆け。
モンド映画とは、観客の見世物的好奇心に訴える猟奇系ドキュメンタリーのくくりのこと。いったん廃れたあと、近年になってまたドキュメンタリー作品は再び人気を集めているけれど、モンド系はほとんどないと思う。

文明と未開が並べてあるのは、シニカルに観れるからいい。かたや、5年に一度、村中の豚を潰して食べつくし、犬やヘビを食す民族がいて、かたやステーキに飽きて蟻や芋虫のゲテモノ料理を食す白人がいて・・・・。どっちが普通といえるのだろう。
日本も残酷とは言えないまでも、けったいな風習をいくつか取上げられているので笑ってはいられない。
サラリーマンにマッサージと入浴のサービスをする、東京風呂なるものが登場。(ホント!?) きな臭い映像とはいえ、日本人としてちょっぴり恥ずかしい。


 先日、寺山修司の『書を捨てよ、町へ出よう』を読みながら、ドキリとした一文があったことを思い出した。長いけれど、以下抜粋。

 毎年、夏になるとグラフ雑誌は原爆特集をやる。そして被災者たちの死臭にみちみちた写真を満載し、それが飛ぶように売れるのである。(省略)原爆反対に名を借りて、人間の死にざまの醜態を見たがる心理が、大衆のなかに根深くあるかぎり、ぼくは歴史なんて信じないし、原爆反対のキャンペーンにも組することなどできないだろう。
夏が来て、ケロイドと死のアメリカの禿鷹の特別号が発売されても、ただの一冊も売れなかった、という時代が訪れたときにだけ、ほんとにベトナム戦争は終わりに近づくだろう。


じぶんも含め、残酷や醜態を、どうして人は見たがるんだろう。モンド映画を観る行為と、上の文章には、共通したものがある気がしたのだ。
『書を捨てよ、町へ出よう』は1975年刊行の古い本だけれど。 


監督/ グァルティエロ・ヤコペッティ  フランコ・E・プロスペリ
脚本/ グァルティエロ・ヤコペッティ
撮影/ アントニオ・クリマーティ  ベニート・フラッタリ
音楽/ リズ・オルトラーニ

(カラー/MONDO CANE/91min)





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2010.11.26 22:36:25
コメント(2) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.