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ちなみに、この構造は、構造を二分する10角形を、全部で6面ほど備えている。 古今東西で、何故「10」という数が、完全や完成をあらわす数として尊ばれてきたか、その答えが、この構造に秘められているのではないかと、私は観ている。 今までの立体構成と同様、手探りでたどり着いた構成表現である。しかし、かつて、外枠は同型ではあるが、内部構造を違う構成で表現していたときがあった。 ところがある時、数学の得意な人から、その構造は等辺(同じ長さの軸線)による構成ではなく、およそ[ 1:0.95 ]の割合で、少し揺らぎのある表現になっていることを指摘され、「これではいかん」ということで、それから数年かかって、ようやくたどり着いた構成表現であった。こういう、ある意味で「生みの苦しみ」があるから、完成した時の達成感も大きく、やりがいもあるわけである。 ところで、ある神道系の求道者の書籍を読んでいて、気になる文章に出くわしたことがある。そこには、太古から「12」という数(日本では同系統の「8」)で治めようとしてきたために、様々な問題が生じてきており、その山積みになった問題を処理するためには、「10」という数で解決を図る必要があると記されてあった。 私は、この文章に出会ったとき、妙に共感したことを覚えており、そのとき既に、角形表現において、ある条件では12角形と8角形とは密接な関係にあることをつきとめていた。そして、「10」の数で解決に向かうとは、それは「10角形」と関連するはずだという直観があった。 そして、その「10」という数、また「10角形」の正体こそ、この「準正32面体」の立体構成に違いないと感じるようになっていったのである。その後、確認に確認を重ねて、その求道者の助言もいただくなかで、この立体構成は、神道的解釈では、物部神道系の「十種神宝(とくさのかんだから)」の呪術にも連関すると観るようになった。 ここで「十種神宝」とは、物部氏の伝える古神道の呪術で、人間が持っている潜在的な神秘力を呼び起こす行法とされる。1から10までの数(ヒフミヨイムナヤコト)を唱え、十種類の行法を実践すると、神の力を自分のものとすることができ、あらゆる病気を癒し、死人も蘇らせることができると伝えられている。 話題をかえて、この写真の図形を今一度よく観ていただきたい。イメージとしては、この構造が手前から向こうに、右回転のラセンを描きながら、真っ直ぐに伸びていくという感じだ。この10角形を二分する対角線の両端から、2本のラセン回転を想定すると、遺伝子(DNA)の二重ラセンの構造にも連関してくるというわけである。そうなんです。遺伝子構造の断面は、大枠では「10角形」なのだ。 次回は、この「10角形の立体構成」をベースにした、DNAの螺旋構造に迫ります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年07月09日 16時27分14秒
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