カテゴリ:奈良
数えきれない祭りや行事がある奈良。なかでも「気になるまつり」の上位にランキングしていた「饅頭まつり」。理由は「まんじゅう大好き」ただそれだけなんです…。
4月19日、このデパ地下か温泉街のイベント風な名前を持つ伝統行事に初参加しました。 まつりが行われる林神社(りんじんじゃ)は、近鉄奈良駅出口ほぼ直結、JR奈良からもほど近い最高立地にある漢國(かんごう)神社の境内社です。 林浄因命を御祭神として御祀りする我国で唯一の『饅頭の社』 (漢國神社由緒略記) この林浄因(りんじょういん)さん、室町時代に宋の国からやって来て大和で饅頭屋を始めました。なんでも林和靖という文人を輩出したエリートの家系。日本にやって来た事情は一口では語れないでしょうが、鑑真さんと同じく熱烈歓迎!多謝多謝!です。 そんなわけで林神社は饅頭の聖地、林浄因さんは饅頭の始祖と言っていいでしょう。 さて、和菓子の代表選手たる饅頭のルーツが中国にあるというこの伝承、少なくともそう信じられて660年余という事実を、愛国心を育てるためにパン屋さんを和菓子さんに書き換えさせた「道徳事案」に絡んだ人々はどう受け止めるのでしょう。いっぺん聞いてみたいものです。 「饅頭まつり」には菓子業界の方々も参列するため、黒塗りの高級車で乗りつける饅頭界の重鎮の姿も。 参道には綿菓子やベビーカステラはありませんが、お団子などの即売コーナーは完備です。 桜が散りかけた境内には重鎮たちのために「業界関係者御席」が設けられています。 祭壇には献上された菓子折群。ほしい…。 奈良を中心に関西勢が幅を利かせるなか、はるか東の福島や北海道からの献上品もみえます。 写真の右奥は道民に永く愛されている「わかさいも」。 豆餡ベースの桃山風さつま芋型まんじゅうで、芋の繊維を昆布で再現した北海道らしい傑作です。 聖地にしては小さな社殿に「菓業繁栄」の文字。前庭には「饅頭屋宗二献木の梅」。 ちなみに林家7代目の宗二さんは初期の国語辞典にあたる「饅頭屋本節用集」を著すなど印刷・出版の祖とも言われる文化人でした。 お茶と一緒にいただく饅頭は当時上流階級や知識人のコミュニケーションツールだったかもしれません。 気軽に手に入る今の時代に生まれた喜びをおまんじゅうと共に噛みしめたくなります。 菓子業界の重鎮たちによる式典が終わると、一般参拝者にお抹茶とお饅頭がふるまわれました。 しっとりした薯蕷饅頭は直前にカツ丼を食べたお腹にも5個は入りそうな絶品別腹品です。 いつも神社では家族の健康や無事を祈ります。 この日は「末永くおまんじゅうをおいしく食べられますように」と祈ってみました。 早起きしていただいた幸運の引き換え券と開運の紅白饅頭はこちらです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017年04月25日 19時13分25秒
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