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テーマ:住宅コラム(1795)
カテゴリ:ほどよく
強い雨が降ると私はシリコーンのコーキング剤と青い桶を思い出す。
前の会社で私は大阪にある寮に住んでいた。 三階建ての築30年以上経った建物だった。 僕の部屋は二階だった。 そして、おかしいけど、僕の部屋だけ雨漏りするのだ。 三階だって雨漏りをしないのに。 かなりひどい雨漏が部屋の角からした。 だから、私は風呂枠の補修に使うシリコーンのコーキング剤を塗りつけた。 それでも、台風などのひどい雨のときはちびちびと、シリコーンを避けるように、雨漏りがした。 平日は会社に行くし、土日は京都の実家に戻っていた。 雨が落ちたら、古い床だから、乾いてもささくれている。 床に置いてる雑誌や、電気製品に悪影響を及ぼす。 だから、私の部屋の角には青い大きな風呂桶を買った。 ちょうど、赤ちゃんが遊ぶビニールプール程度の大きさだ。 いつ雨が降ってきてもいいように、ずっと置いた。 ついでに、小さな風呂桶もいくつか買っていた。 夏の熱い日は、その桶に水と、氷を入れて足を冷やした。 しかも、私の冷蔵庫は半分壊れていた。 夏になると冷凍庫しか効かなかった。 だから、常にペットボトルを凍らして、それを冷蔵庫にいれて夏を凌いでいた。 だから、桶には水と、そのペットボトルを入れればいいわけだ。 足首が冷たく、ちょうどくるぶしあたりが一番、気持ちよかった。 しかも、冷えすぎず、逆に他の部分の血流もよくなるようだった。 そう、私の部屋はクーラーは無かったのだ。 今となるとその桶や、雨漏りさえも懐かしい。 当時は「マシな部屋に住みたい」「まともな冷蔵庫が欲しい」「クーラー求む!!」と思っていたのに、だ。 さらに、今の会社では大量にシリコーンを使うときがある。 手につくと、べとべととして気持ちが悪い。 でも、首を痛めて天井にソイツを塗ったことを思い出すと、 不思議と、誰かに励まされているような気になる。 時々、私の部屋も雨漏りしないかなと思うが、親の建てたこの家はそこまでボロくはないようだ。 きっと、喜ぶべきことなのだろうけど。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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