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テーマ:好みのタイプ(83)
カテゴリ:ほどよく
あるいは、繰り返される会話。
「あのね、最近、俺、気になる子がいるんだ」 「へぇ~。そうなんだ。そうなの。ふぅん。それで、そのこ、カワイイの」 「いや、そんなにかわいくない」 「じゃあ、すっごく、さっぱりとしてキレイなんだね。わたしより」 「そうともいいきれないな」 「うーんっと。じゃあ、目鼻立ちはしっかりした、美人さんだ」 「違うよ。ほんわりしてる」 「ええ?なに。セクシーなんだ。すごーく、スタイルがいいんだ」 「それは、全然違う」 「え、じゃあ、そうねぇ。表情豊かとか」 「いや、表情はそんなに多くない」 「…その子、魅力的なの?」 「うん、すっげええ、魅力的!!」 そして、会話ははじめに戻る。 ※ ※ ※ こないだ、蒼井優さんについて考えていたけど、どうも最適な表現が見当たらなかった。 例えば、これが柴咲コウさんなら美人でキレイだし、池脇千鶴さんなら表情豊かである。 その点、蒼井優さんは劣るんじゃないかなって、気がする。 だけども、さっきの会話のように彼女はとても魅力的な女性だ。 きっと、雑誌とかの紹介コラムでは「存在感」とか、「大物感」って言葉で済まされるような気がする。 というか、短い言葉で表現するとそうなっちゃう。 あるいは「透明感」 僕は彼女をテレビとかで眺めるたびに、深海にある水族館を想像してしまう。 その水族館は海の深い、深いところにあって、潜水艦じゃないと人は入っていけない。 入っていくと、そこは本当の意味での水族館じゃない。 海に太い透明なアクリル板の筒をがあり、その中を人が通るのだ。 いわば、一つの海底トンネルなのだ。 マグロや、くじら、アンコウ、グッピーなどのあらゆるの魚達は僕らが手を伸ばせば、まるでつかめるかのように背びれや、お腹を見せながら泳いでいる。 だけど、勢いよく手を伸ばすと、太いアクリル板にぶつかって、僕はツキユビをしてしまう。 蒼井優さんの透明感ってそんな気がする。 すごい彩やかな何かが見えているのだけど、手を伸ばそうとしても掴みきれない。 掴もうと僕が努力すればするほど、僕が傷ついてしまう。 透明だけど、堅牢で、太い、板。 視覚的には見えるけども、掴もうとすると存在が形でない匂いのようにわからなくなってしまう。 なんだ、このブスと思うようなときもあれば、めっちゃイイと叫びたくなるようなとこもある。 表情とか、体のしぐさじゃなくって、視覚的な匂いで僕たちに浴びせかけてくるようだ。 こういう視覚的な匂いって操れないことって多い。 時々、新垣結衣さんのように、きせきの時間を過ごす女性が自分も知らないうちににかもし出すこともある。 だけど、蒼井優さんはこの匂いを意識で操っているように思うのだ。 独特の演技力であり、存在感なんだと思う。 ぱあっと出すとこ、すっと引っ込めるとこ。 意識的であるから、年齢とかに頼らずに、蒼井優さんは自分の透明感を制御できる。 だから、僕たちに長く魅力を味わわせてくれるんじゃないかなって、思っている。 ※もっと、「なんだかなー」なら『目次・◎好みのタイプ』まで お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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