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田中およよNo2の「なんだかなー」日記

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2007年05月08日
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カテゴリ:ほどよく
キツイことを書こう。

レミオロメンの「茜空」を聞いた。
正直、僕はあれれれ、って思った。
いい曲だけど、歌詞の作り方がちょっと、固くなってきてるんじゃないかって、思った。

歌詞はこちら。

僕はレミオロメンのヘビーリスナーでないけど、彼らの曲の歌詞って、丹念で上手な風景描写に特徴があったと思う。
その鮮やかな風景描写がやがて、その曲の持つ心情が丹念に浮かび上がるっていうのかな。

やたらめったら「愛」とか、「好き」とか「割れそうなガラスの心」とかを使わない巧みな言葉の使い方だった。
心を表す決め言葉に頼らないで、心がみてる風景や、動きを丁寧に捕らえることで、むしろ上手に心を描いているっていうのかな。
その点で、最高傑作はやっぱり「3月9日」だろうと思う。
歌詞はこちら。

うん。

ほら。

嬉しいとか、幸せとか、決まり文句はない。
キレイとかもあるけど、それが君とか、心とか決まりきった人の心を表す言葉には修飾はしてないよね。
キレイなのは昼前の月だし、喜びは花を待ってるだけでしょ。

でもね、その風景に感情の言葉をさりげなく、でも何度も与えることで、うれしさや、祈りの心情が染みてくるようになってるよね。

この「3月9日」でその方法を自覚的だったのかは、ちょっと難しい問題だと思う。
これは、勘だけど、ちょっと徹底的にやったら上手くきましたっていう、出会い頭の感じが僕はする。
その位の思い切りがないと、ここまでアバンギャルドといってもいいほど、心情を表現する歌詞を削ることは難しいと思う。

自覚的にやれたのは、きっと、「粉雪」(「HORIZON」収録)じゃないかな。
歌詞はこちら。

心情の表現も多い。
でも、何より粉雪ってイメージが真っ白な視覚的にも、寒いって感覚的にもおっきい。
風景だけで心情を描くまでは削ってないけど、心情を強烈な風景に乗せることができている。

「粉雪」の歌詞は思い切ったというより、計算し尽くしたって感じを僕は受ける。

そ、れ、で。

やっと、本題の「茜空」
再び、歌詞

うーん。

どうなんだろう。

感じとしては、こんな風に作ってれば、いいだろうって感じを受けた。

確かに茜空っていうのは鮮烈だよ。
でもね、決まり文句にすっげえ頼ってるように僕は思えたんだ。
ナイフとか、情熱とか、孤独とか、虚ろとか。

うん。
こういう言葉ってわかりやすいから便利なんだよね。
でもね。

わかりやすく伝わる事と、鮮やかに伝わることって別なんだよね。

単語だけでわかりやすくなると、言葉が死んじゃう事があるんだ。
ちょっと、茜空にはそういうわかりやすさを求めすぎている気がする。
それに、風景の一つ一つにあんまりつながりがない。
丹念に歌詞を作ったというより、思いついたのをちりばめた感じ。

うん。
それでもね、やっぱり、いい曲だとは思うんだよ。
勇気づけられるしね。

ただ、僕はね、このまま、同じような作り方でいいんだって、レミオロメンさんが開きなおったら、彼らの歌詞の進化はここで終わっちゃうんだって気がする。

「3月9日」で目覚めて、「粉雪」で完成して、それからは落ちていったっていうバンドに僕はなって欲しくないと思うんだ。
そりゃ、同じレベルで生み出す事は無理だよ。
それにしても、僕は不安。

そんな不安なんて名曲で吹き飛ばして欲しいものなんだけども。

うん。

※もっと、「なんだかなー」なら『目次・◎ものがたり』まで





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最終更新日  2007年05月08日 00時41分50秒
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