外務大臣記者会見について
外務大臣の「英霊の方は天皇陛下のために万歳と言った。天皇陛下が靖国参拝なさるのが一番だ」という発言を、1月29日の日記でもとりあげました。外務省の外務大臣会見録(こちらを参照)の中に、この発言に対する外務大臣の見解が出ています。それによると、現段階では、天皇陛下に靖国神社参拝して頂きたいと言えるような環境ではなく、「英霊」の方の気持ちを述べたということなのだそうです。隣国からのわだかまりの話もなく、政府の代表と天皇陛下とが自然に追悼する、国のために尊い命を投げ出してくれた方々に関して感謝、敬意等々を表することが自然に出来るようにするにはどうすればいいのかという問題提起を行ったのだそうです。外務大臣は、「靖国神社に」という言葉を避けているのですが、あとで記者の質問で、やはり「靖国神社に参拝」という趣旨だと言っています。あの戦争で特攻隊員として散った人たちの無念さを思えば、小泉首相でなくても、日本人なら誰でも涙なしにはいられないと思います。しかし、特攻隊員が「靖国で合おう」とお互いに最後の言葉を交わして突撃機に乗り込んで行ったからと言っても、それは戦前の誤った教育の犠牲であったのであり、敗戦により時代が変わり、平和を獲得した現在の日本においては、靖国「戦争」神社以外の場所で追悼する方が、真に英霊を慰めることになる、と、私は考えます。生命の尊さを教える現代の教育であれば、自爆テロ以外の何ものでもない特攻隊などという発想があり得るはずがなく、「英霊」は時代の犠牲者なのです。外務大臣は、「靖国神社」以外の参拝では問題の解決にならない、と決めつけるのですが、現代の時代に即した追悼のしかた、小泉首相が言う「二度と戦争をしない不戦の誓い」を考えるのなら、毎年8月15日に行われている全国戦没者追悼式を発展させた形での無宗教追悼施設を靖国神社以外に作るべきだと私は思います。その追悼施設は、天皇陛下が、誕生日に述べられた、日本は昭和の初めから昭和20年の終戦まで、ほとんど平和な時がありませんでした。この過去の歴史をその後の時代とともに正しく理解しようと努めることは、日本人自身にとって、また、日本人が世界の人々と交わっていくうえにも、極めて大切なことと思います。戦後60年にあたって過去の様々な事実が取り上げられ、人々に知られるようになりました。今後とも多くの人々の努力により、過去の事実についての知識が正しく継承され、将来に生かされることを願っています。というメッセージを日本人が全て心に受け止めてゆけるような施設であるべきです。外務大臣は、日本の外交の責任者として、この天皇陛下の言葉をしっかりと胸に刻むべきです。外務大臣は、「英霊」が命を捨てて国を守ったことに対して、感謝、敬意、の気持ちを持つべきだと言っていますが、私の耳には、上流階級出身の外務大臣のこの言葉は、日本下層階級は戦争をもう一度やって命をかけて戦い、国のために死ね、と言っているように聞こえます。「英霊」も、サイパン島のバンザイ・クリフで「天皇万歳」と叫んで身投げした人たちも、逆らうことが不可能だった召集令状、あるいは、軍部が流した米国人は悪魔であるというプロパガンダの被害者なのであって、戦争被災者の命は、結果的に国を守ることにも、国の繁栄を築くことにも寄与できていないのです。戦争で無念の死を遂げた人たちは、本来は、生き延びて、日本再生のために活躍すべきであり、また、生きていればそれができたのにもかかわらず、現代の人から感謝され敬意を受けるような務めを果たすことができなかったのです。代わりに、「生きて虜囚の辱を受けず、死して罪禍の汚名を残すこと勿れ」と号令をかけていた無能戦争指導者の方がおめおめと生き延びて、果ては戦勝国にA級戦犯として絞首刑に処せられるという恥さらしです。「英霊」に対する言葉が、感謝、敬意、なのでしょうか?外務大臣としての見識を疑います。---------------夜のテレビ放送で、麻生外務大臣は、、「亡くなられた方々に対する敬意や感謝がなくなって、誰もお参りしてもらえなくなり、国のために戦う人がいなくなるのはいかがなものか」と言っているそうです(こちらを参照)。上でも、書きましたが、この人、まじめに戦争やる気なんですね。中国がガタガタうるさいのも納得です。憲法9条を持つ日本の立場は、国際間紛争があるときに、話し合いで解決するということであって、国家のために命を捨てて戦う、というのは、憲法の趣旨に反します。こんな人が外務大臣をやっていても良いのでしょうか?命があっての国民であり、国民あっての日本国です。日本の防衛というのは、国民が生きていて意味があるのであり、国家防衛のために命を捨てろと言うのはナンセンスですね。A級戦犯も、戦争前、国民に対して、天皇のために死ね、と、言いつつ、天皇の名を借りたオレの権力維持のために死ね、と言っていたのです。麻生外務大臣、A級戦犯を合祀する靖国神社に首相は参拝するべきだ、と、言うのもうなずけますね。