森林間伐費は、暫定税率分でまかなえ
森林整備促進のため、地方債で資金を調達することを認める特措法を、政府が提出すると、毎日新聞が伝えています(こちらを参照)。森林の間伐などに積極的に取り組んでいる自治体には交付金も出すそうですが、10億円程度では、何ができるのか、という気もします。京都議定書の温室効果ガス削減目標のうちの3.6%分を森林の吸収で賄う計画なのだそうですが、現在、年間35万ヘクタールの間伐を行っているものを、20万ヘクタール上乗せしなければならないそうです。1ヘクタールの間伐には40万円かかると毎日新聞の記事に書かれていますが、恐らくボランティアの協力を仰いでの話だろうと思います。私も拝見させて頂きましたが、ちょっと素人がハイキング感覚で来てやれるというものではなく、かなりの熟練と体力が必要な気がします。その上、1ヘクタール40万円で、年間に55万ヘクタールの間伐を行うと言うことになれば、2200億円もかかります。これを地方債で賄おうというのですが、現時点では、間伐によって出てくる木材の有効な利用法がありません。木工品やバイオマスと言っても、そのコストが他の競合品と見合わず、現状では、森林の中で腐るままに放置されているのがほとんどだという話を聞いたこともあります。だとすれば、地方債で返す宛てのないお金を借りることになってしまいます。私は、こういうものこそ、揮発油税の暫定税率分で賄うべきだと思います。自動車を走らせれば二酸化炭素が出ます。自動車を走らせるならば、あなたが出す二酸化炭素を森林に吸収させるために、間伐費用も負担せよ、間伐する人の人件費も負担せよ、と、言えるのではないでしょうか。暫定税率分は総額で2兆6000億円もあると言われているのですから、半分を運送コスト低減のためにガソリン値下げに使ってしまったとしても、残り半分を間伐作業の費用に回して、充分にやっていけます。地方債を発行して自治体の財政を圧迫するわけでもなく、間伐事業という新しい事業によって、地方経済の活性化にも幾分かの寄与があるだろうと思います。ガソリン価格も上昇して道路を走る自動車も減ってきているだろうに、道路をこれ以上造っても地方財政にプラスになるとはとても思えません。実際に、地方で生活する人の手にお金が直接に渡る事業を行うべきです。最近、再生紙の問題もありました。日本が東南アジアの木材を大量に買うために、東南アジアの森林がどんどん伐採されているという話も聞きます。どうして、間伐によって出てくる木材を有効活用できないのでしょうか?それこそ、補助金を出しても、東南アジアの木材に課徴金をかけてでも、日本の森林から得られる木材の有効活用を考えるべきではないでしょうか?その上で、日本が木材を買わなくなった分だけ森林が維持されて、二酸化炭素も吸収されるでしょうから、日本が東南アジアの国から排出権を買ってくれば良いのではないかと思います。----------------理工系受験生向け大学入試問題研究サイトはこちら大学入試問題検討ブログはこちら----------------応援、激励、賛同のコメントはこちらへお願いします。