引き金 【パンクラス回顧録2-1】
1996年 パンクラスに入社して2年ちょっと。それまで目まぐるしく働いて来ました。いろんな体験をさせてもらいました。それまで順風満帆とは決して行ってませんでしたが、何とかやってまいりました。そしてその年の6月25日に福岡での大会が決まりました。その大会に向けて3月末頃から約3ヶ月現地で営業活動することになりました。普通の会社で言う「長期出張」というやつです。と言っても会社から出張手当が出るわけではありません。宿泊もホテルに泊まるわけでもありません。大会に協力してくれる会社の事務所の一室を貸してもらい、そこが仮事務所兼宿泊所でありました。札幌と首都圏での暮らししか経験がなく、仕事関係の知り合いしかいない環境。気候もまったく違う。回りの人々の気質もまったく違う。この中での暮らしはかなりつらく、この3ヶ月の勤務を今思うとよくやったなと思う。毎日必ず何かしら仕事をしていた。でもプレッシャーとストレスでかなり仕事的には空回りしていたように思う。只、東京の事務所での勤務と違い、自分の仕事だけに没頭出来たのはかなり助かった。東京では自分の担当する仕事以外の仕事が山ほどあり、物事を考える時間が全くなかったのです。福岡では毎日忙しかったが、しかし考える時間というのが出来た。そしてこの時初めてパンクラスの事、自分の将来、自分にとっての人生、いろんな事を考えてしまった。自分はパンクラスの社員としてやっていくのは、果たして最善の生き方なのだろうか?パンクラスともっと違う関わり方もあるのではないだろうか?パンクラスにとって自分は社員として本当に必要な存在なのか?いろいろ考えた事がパンクラスを辞める引き金になった事は確かである。つづく過去のパンクラス回顧録はこちら人気格闘技blogランキングへ