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ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

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Jul 27, 2006
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「激動の半生」

 ツワモノ三人組(バイオリンのマリリー、ビオラのナンシー、チェロのマーディ)と一緒に練習する日がついに来た。今回は僕に第一バイオリンを弾く番が廻ってきて(=選曲権つき)、大胆にも「ラズモフスキー1番」を選んで、みんなに「あんた、ほんとに大丈夫?」と冷やかされながら今日を迎えた。

1楽章: チェロの上昇型の出だし、モーツァルトの弦楽五重奏曲ハ長調K515に似てる。だからかどうかわからないが、ハ調の曲のように錯覚しながら弾いてしまう。(チェロのCの低音で曲が始まり、バイオリンの超高音のCで最初のクライマックスを迎えるし。)でもその割にフラット多すぎ。長大。

2楽章: 中途半端なテンポで、ピアニッシモとかピアノとかでひたすらスタッカート。自分をコントロールし続けなきゃいけなくて、思いっきり弾けないからストレスが溜まる。しかも、駆け引きとか受け渡しが多くて、音色の統一にも気を遣う。

3楽章: 遅すぎても冗漫になるだけだけど、最後のファーストに出てくる64分音符だか128分音符だかのことを考慮して超ゆっくりと弾き始めたら、ほかの三人からすかさずブーイング。なお、Adagio molto e mesto という指定の「メスト」って何よってことになるのだけど、僕を含め誰も下調べしてきてなくて、手許に辞書もなく、「ま、いっか」で終わってしまった。いまだにこの語意はわからないが、曲の感じからさかのぼって勝手に推し測るに、「自分の激動の半生をしみじみと顧みながら」あたりの意味ではなかろうか(類義曲:ブラームスのクラリネット五重奏)。全然違う意味だったりして。

4楽章: 「ロシア風」なのだそう。どうしても弾けないところが二、三箇所はある。弾けなくて悔しいのだけど、自分の実力のなさ、努力の足りなさを省みるどころか、ラズモフスキーさんとやらを恨めしく思ってしまう(←おカド違い)。

 疲れた。明らかに今回は選曲ミス。この曲、別の団体で去年レッスンしてもらったはずなのに、それを活かすことが全くできなかった。たぶん一生かかっても満足に弾ける日は来ないであろう難曲。

 負け惜しみを言わせてもらうと、ファースト以外の3パートは楽しく弾ける曲だと思う。特にチェロ。ほとんどの楽章の冒頭はチェロによって先導されるし。
 内声のセカンドやビオラも、難しくも実に意義のあることをやってる。
 ほかの三人におだてられながらファーストが美しい旋律を弾く特別待遇などなく、四者平等、みんな真剣な顔して冷や汗をかき創り上げてく感じ。ファーストがすごく高い音をヒーヒー弾いてても、セカンドがオクターブ下で支えてくれてるわけでなし、っていうか、むしろもっと激しいことをやってたり。

 この曲、ちょうど200年前の今月(七月)に書かれたのだそう。だから、今月の練習でこれを採り上げたことは、少なくとも意味のあることだったと自分を慰めるほかない。





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最終更新日  Jul 30, 2006 09:08:11 PM
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