カテゴリ:音楽(クラシック)
「フーガの168(いろは)」
マックス、マリリー、マーディらと弦楽四重奏団を組んで早四年(僕はビオラ)。数ヶ月ほど空いたこともあったけど、月に二回の頻度で定期的に集まって猛練習した時代もあった。で、このたび、都合により、僕はこの団体を脱退させていただくことにした。いわゆる「卒業」という名の脱退? この四人組、人前で弾いた機会はわずかしかなかったものの、団名までつけちゃって(「シネノミネ四重奏団」)あくまでカタチだけはホンモノの音楽家っぽく振る舞ってたら、地元紙に写真や活動が掲載されたこともあった。当時は恥ずかしかったけど、今となってはいい想ひ出。 ![]() 四年前まではカルテットを弾く機会が皆無に近かった僕が、これほど多くの曲に出会うことができたのは彼らのおかげだし、カルテットのいろはを教えていただいた。ビオラの面白さに目覚めることもできた。 今後彼らは、新しいバイオリン奏者を加えて練習を続けることになりそう。マリリーがビオラに転向して僕の替わりを務めるとのこと。今後も人が足りないときとかに単発で僕も参加させていただくと思うけど、レギュラーを退くにあたり、今日の練習ではマックスは珍しく僕にファーストを弾かせてくださった。頑固オヤジの彼は普段はファーストの席をむやみに人に譲ってはくれないので、ちょっと感動した……。 さて、初見でできそうな曲をリピート抜きで最後に弾いてお別れにしよう、今年もお疲れさま、と言って彼が取り出した譜面はモーツァルトの初期のシリーズ。「好きなのをお選び。」と僕に問うのだけど、初期アマデウスは一曲も満足に知らないので、自分の若き日の記憶を頼りにヘ長調のを選んだ。この曲、大昔に終楽章のフーガだけ弾いたことがある。果たして、全貌はどんな曲なのか。 1楽章: 普通、モーツァルトの1楽章を弾くと、弾き始めた瞬間に「あー、これだよこれ!」とモーツァルトワールドに一瞬にして引き込まれてしまうものだけど、この楽章は違う。なんか不完全燃焼。 2楽章: すごく存在感のあるアンダンテ。ちょっと混沌としていて、バッハの「フーガの技法」みたい。 3楽章: 第1バイオリンの音域が(モーツァルト初期にしては)高い。ハイドン的か。 4楽章: アレグロのフーガ。途中なにがなんだかわからなくなって不安になるけど、自分だけを信じながら弾き続けると、最後の最後で大ユニゾンになる。その瞬間の快感だけを楽しみに、だまされたと思って16分音符をひたすら弾く。 ただ、バッハのフーガのように崇高的で宗教的な響きがするわけではないから、昔この曲を弾いたときは、なんかインチキ臭く感じたものだ。仲間うちで「いんちきフーガ」と呼んでたよーな記憶がある……。 あとで知ったが、モーツァルトのフーガものだったら、カルテット13番K173のが面白いらしい。名曲「アダージョとフーガ ハ短調K546」に匹敵する短調フーガだとか! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Dec 23, 2006 03:35:43 AM
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